2010年9月13日月曜日

思索の秋

こんばんわ、亜沙郎です。
夕方から、ちょっと北風っぽい感じで、昼間のこもった熱気をどこへ運び去ってくれるといいんですけど。

秋というのはロマンチックで、何となく物思いに耽ってみたくなる季節です。とは言ってみたものの、現実的な世界で仕事にあけくれていると、とても考え事をしている暇はありません。毎日毎日、次から次へと現実をこなしていくので精一杯。

最後に考え事を一生懸命したのは、開業の時でしょうか。クリニックの名称をどうしよう、ロゴマークはどうしよう。従業員はどうする、内装はどうする、もう考えることがありすぎて、もう残りの一生分の思索を終えてしまったくらいの感じです。

最近は、ちょっと名画にはまっている。名画と言っても、映画ではなく絵画の方。もともと絵を描くのは嫌いではないし、世界の名画というものも一通りは押さえておきたいと常日頃思っているのです。

2次元の世界の一瞬の時に凝縮された絵の世界というのは、見る側にいろいろな想像をかきたてる特別な力があると思います。当然、個人の感性にまかせればいいので、本来一定の意味づけをすることなど馬鹿げているというものです。

例えば、ミレーの「落穂ひろい」を見て腰が辛そうだなと思うわけですし、ダヴィンチの「モナリザ」を見れば微笑みというよりは苦笑い、ムンクの「叫び」はゴム人形。

いずれにせよ、そういういろいろな解釈が導き出される絵ほど「名画」と呼ぶのにふさわしいと思うんですよね。名画(の写真)を見ながら、そんなもろもろの考え事をするのもいいものです。

ゆっくりと香りの高い珈琲を味わいながら、BGMにはシューマンかシューベルトのピアノ曲。机には大型の世界の名画集広げて、ゆっくりとページをくっていくなんて、そんなぜいたくな思索の時をすごすのも秋の夜長の過ごし方として悪くはありません。