2010年9月6日月曜日

当直

医者になってから四半世紀。うーん、まぁ、単純に年を取ったということでしょうけど。

それにしても、思えば医者の給料というものも変わってないなぁ。例えば当直のバイト料は、25年だっても変わっていないんですよね。まぁ、文句を言ってもしょうがない。

医者になったころ、パソコンも最初は一番安くて30万。今では高級品で30万、一番安いのでよければ1/10でもありますからね。そりゃGDPが伸びるわけがない。

自分の入局した大学の医局では、教授が堅くて、新米の医者には当直のバイトはさせませんでした。ある程度医者として仕事ができるようになった3年目から、「公式」にバイトに出れるようになるわけです。

実際は、そんなことを言っても当時は1年目の月給は5万円、2年目で7万5千円でしたから、隠れてバイトをしないわけにはいかないのです。

自分の場合は、2年目から隠れて当直をしていました。ある時、血気胸の患者さんが運ばれてきて胸の中にチューブを挿入しないといけなくなったことがありました。当然、整形外科ではやることのない処置ですから、どきどきものです。

そんなことを経験しながらだんだん医者として成長していくわけですが、ある時1年目の医者が当直した翌日の当直をしに2年目の自分がでかけたことがあるんですよね。

朝、病院に行ったら1年生君はなんと目を真っ赤にしていました。周りにいろいろな救急関係の本を山積みにして、うーとかあーとかうなっているではありませんか。

理由を聞くと、病棟に死にそうな患者さんがいて、何かあったらどうしたらいいかわからないので一睡もできなかったというのです。いやぁ~、若いっていいなぁと思いましたよ。自分も十分に若かったんですけどね。

大学では二人一組で当直だったりしたんですけど、上の先生を簡単なことで起こすわけにいきません。たいていのことは、下っ端がこなさないといけなかったんですよ。どうしても困ったときは、レントゲン写真を持ってそっと上の先生を起こします。

自分が上の当直になると、そんな簡単にいばって寝ていられません。毎日おろおろ、夜中に手術室と救急室とのあいだをいったりきたり。今では、さすがにたいていのことには動じませんけど、さすがに血だらけの急患をさっさとさばくことはできませんよね。

そんなわけで当直バイト人生はまだ続いているわけで、さすがにそろそろやめたいところですが、何事も前向きに考えましょう。何でも勉強だということで・・・ふぅ~。