2022年9月18日日曜日

終わってこそブーム


たぶん、去年くらいから・・・せいぜいここ2年くらいで、雨後の筍の如くに増えた「生食パン」の店。

港北ニュータウンにも数軒が登場しそれなりに話題になっていましたが、今年の春頃から急速な縮小傾向にあるという話が、ネットニュースなどにしばしば登場するようになりました。

センター南にあったこの店も、いつのまにかひっそりと営業を停止して、この店のホームページの店舗リストから消滅していました。

はっきり言って、この「生食パン」というものに対しては、自分は初めて耳にしてからずっと懐疑的に考えていました。

そもそも必ず「焼く」という工程が入るはずのパン作りで、「生」という言葉を使うのは嘘っぽい。一斤が1000円近い値段の「高級パン」で、しかも売り物としては多少の混ぜ物の違いはあってもも基本は一択というのは必ず飽きられるのは必至。

米中心の食事が減ったと言っても、それがパン食文化に取って代わられたわけではありません。炭水化物が全体的に避けられる傾向が強まったもので、パンの原料の小麦粉も炭水化物であることに変わりはありません。

日持ちしないパンを、それも一斤丸々買って、一回で食べきれる家はそうはありません。ましてや、毎日のように買いに来る客がいるはずもなく、たった一つの商品だけで勝負するにはあまりにも危ういと思うのが当然です。

そこに急激な店舗数の増加、原材料の高騰、コロナ渦の制限緩和による自炊減少などの社会的な要因も、業界縮小の原因に加わっている思います。

まさに、急速に拡大し「ブーム」と言える活況を呈していた業界ですが、人々の注目を集めるのが一過性であるから「ブーム」なんですよねという絵に書いたような状況です。