俳句作りが上手くなるためには、文語を知らないといけない。文語を知るためには文語文法を勉強すべし・・・と言うのは簡単ですが、いったいどこから手をつければいいのか。
とにかく日本語の言葉一つ一つは、文法的にはその機能から品詞と呼ばれる分類があります。どんな品詞があるのか知っているのがイロハのイ。まずはそこんとこを確認しましょう。
まず、大分類ですが、それだけで文として成立できる自立語と、単独では文にならない付属語に分けられます。付属語は自立語の後ろに接続して使われます。
自立語と付属語の両方に中分類として、語尾変化をしない、つまり活用しないものと、語尾変化をする、つまり活用する物に分かれます。
自立語の活用する物(用言と言います)には、動詞、形容詞、形容動詞の3つがあり、活用しない物は、名詞(体言といいます)、副詞、連体詞、接続詞、感動詞の5つがあります。
そして、付属語には活用しない助詞と活用する助動詞があり、全部で10の品詞があります。
まず名詞。いわゆる体言は活用しない自立語で、品詞の中では唯一主語になることができる。名詞は細分類され、一般名詞、固有名詞(人名、地名、商品名など)、代名詞(人、場所、方向など)、数詞、形容名詞の5つがあります。
副詞は何かの程度、状態を表し、主として用言を修飾します。連体詞は体言を修飾するもの。接続詞は文と文をつなぐもので、感動詞は独立して詠嘆、応答などを表します。俳句では、接続詞と感動詞は基本的に使うことはありません。
活用する自立語、いわゆる用言は基本的に述語になります。ものの動作、作用、存在を表すのが動詞、形容詞や形容動詞は物の性質・状態を表し、言い切る場合に形容詞は「し」、形容動詞は「なり、たり」で終わります。
付属語で活用がある助動詞は、打消・過去・完了・受身・可能などの意味を付加します。活用しない助詞は、さらに細分類され格助詞、接続助詞、副助詞、係助詞、終助詞、間投助詞の6つがあります。
雪降れり時間の束の降るごとく 石田波郷
この句の品詞を確認してみます。「雪」一般名詞、「降れ」動詞、「り」完了の助動詞、「時間」一般名詞、「の」助詞、「束」一般名詞、「の」助詞、「降る」動詞、「ごとし」比喩の助動詞ということになります。
これ以上続けると頭がパンクするので、ここではとにかく品詞の種類と呼び名だけ覚えることにして終わります。