2023年4月11日火曜日

Amamdine Beyer / Vivaldi Les Quatre Saisons (2008)

アマンディーヌ・ベイエはフランスの女流古楽系ヴァイオリン奏者で、ドイツのイザベル・ファウストより2歳年下で現在49歳。1995年にキアラ・バンチーニに弟子入りして、バロック・ヴァイオリンをみっちり教わりました。


バンチーニが率いる古楽集団アンサンブル415と共演し腕を磨きつつ、2006年からは自らの楽団、リ・インコーニティ(Gli Incogniti)を結成し、世界的にも知られるようになりました。現在はバンチーニの後継者として、後進の教育にも携わっています。

2008年にGli Incognitiともに演奏したこのアルバムは、また新しいヴィヴァルディの「四季」の世界を見せてくれています。

「四季」の4つの協奏曲の前に、約8分の「2つのヴァイオリンとチェロのための協奏曲(RV578)」、約12分の「ヴァイオリン協奏曲(RV372)」の2曲から始まります。そして通称「四季」と呼ばれる4つのヴァイオリン協奏曲となりますが、これが約38分ですからけっこう速い感じ。そして最後に約12分の「ヴァイオリン協奏曲(RV390)」で締めくくります。

「四季」のアルバムは、LPレコードならそれだけで終わり。CDだと余った時間にオマケ的に2曲程度の協奏曲が入るパターンがほとんどで、下手をするとメイン以外はあまり気にかけないこともあります。

ここでは、まずあまり馴染みのないヴィヴァルディの典型的な世界に入り込んだ後に、誰もが知っているメロディが始まります。ベイエの演奏は古楽にありがちな「奇をてらった」演奏ではありません。早めで切れのある演奏ですが、比較的落ち着いて優雅さを感じさせるところが特徴のように思います。

実は「四季」以外の3曲は、比較的新しく発見されたもので、馴染みが無いのは当たり前。めっちゃ知られている物と知られていない物をうまく組み合わせて楽しませてくれていたということ。なるほどね。