10歳を過ぎるころにはローマに出て、早くも注目される存在になりました。1701年以降、作曲活動に力を入れ、ヴァイオリンを中心とした器楽合奏曲は評判となります。
先輩コレッリは1708年に引退を宣言していますが、ローマでのヴァレンティーニの人気にショックを隠せなかったらしい。
当初は小編成でトリオ・ソナタの延長のような物が多かったのですが、1710年からは合奏協奏曲を続けざまに発表し、その後はオペラも作りました。40代半ばからは教会での仕事に集中したようですが、残された楽曲はほとんどありません。
この合奏協奏曲集は作品7で、それぞれ多楽章形式で複数のヴァイオリンがフューチャーされていて、ヴィヴァルディの典型的な長調主体の急緩急と違い、いろいろな面を聞かせてくれます。合奏協奏曲ですから、その合間にヴァイオリン単独、あるいは複数が絡み合うソロが出てくるのが楽しい。
演奏は、スイス生まれのバロック・ヴァイオリン奏者のキアラ・バンチーニが率いるアンサンブル415で、イタリア・バロックを中心に評判になった演奏を多く録音しています。ここでも、古楽奏法ですが急ぎ過ぎず、聴き所はしっかりと情感をたたえた演奏は素晴らしいと思います。