2023年4月28日金曜日

Ensemble Giardino di Delizie / Isabella Leonarda Trio Sonatas (2021)

ポップス系では女性作曲家は当たり前のようにたくさんいますが、クラシック音楽ではこれまで名を残した人は数えるくらいしかいません。ことにバロックとなると、まぁ皆無と言っていい状況・・・

ですが、いました。いるんですよ。1629年生まれのイタリア人、イザベラ・レオナルダです。

生涯を修道院で過ごした人なんですが、特に歌手でもないし、楽器の演奏者としても有名ではありません。おそらく、教養として身につけた音楽の知識を、修道女たちに教える仕事をしているうちに、作曲もするようになったと考えられています。

基本的には宗教音楽の作曲家ですが、200曲ほど残っている作品の中に11曲のソナタ、器楽曲があります。基本的には独奏楽器としてのヴァイオリン、通奏低音としてのチェロとチェンバロを中心としたトリオ・ソナタです。

しかし、あまり形式にとらわれず、楽章の数もまちまちですし、本来伴奏である通奏低音が主役になっている曲もあります。それがまた魅力の一つになっているように思います。

演奏は古楽器を使うアンサンブル・ジアルディーノ・ディ・デリヅィーというグループですが、HPを見ると、何と全員女性。ストラデッラのソナタ集もリリースしていて、なかなか実力派の集団です。

CDは、以前は他のレーベルのライセンス物の廉価版メーカーという位置づけだった、Brilliantレーベルからですが、最近は自らこのような大手レーベルが商売的に取りこぼしている貴重な音源をリリースしているのには感心します。