2回目の時は、日本の昭和基地よりさらに内陸にあるドームふじ基地で越冬しています。ドームふじ基地は、昭和基地から1000kmも離れた標高3810mにあり、年間の平均気温は-50℃という、南極の中でも特に過酷な環境にあります。
西村氏の著書にあるエピソードを用いて、映画ではドームふじ基地で越冬する隊員たちの日常を描きます。そういう意味では、ストーリーらしいストーリーはなく、細かい日常の出来事の積み重ねみたいな感じです。
閉鎖された空間に集う隊員は以下の8名。
西村淳(堺雅人) 調理担当
南極行きを喜んでいた候補者が交通事故で、急遽派遣されることになり、家族からはうるさいお父さんがいなくて喜ばれています。
金田浩(きたろう)
ドームふじ基地の隊長。気象庁から派遣された気象学者。無類のラーメン好き。
本山秀行(生瀬勝)
国立極地研究所から派遣され雪氷観測担当。
川村泰士(高良健吾)
大学院生で、雪氷観測担当。1分740円の衛星電話で、彼女との会話が楽しみ。
御子柴健(古舘寛治)
自動車メーカーから派遣された車両担当。当初から南極に来たことを後悔している。
西平亮(黒田大輔)
通信社から派遣された通信担当。広島東洋カープのファン。
平林雅彦(小浜正寛)
国立極地研究所から派遣され大気測定担当。
福田正志(豊原功補)
北海道の病院から派遣された医師。医療担当。
おおまかな流れは、基地内でのレジャーなどを通じて、次第に打ち解けていく隊員でしたが、夜食に食べすぎて備蓄のインスタントラーメンが底を尽き、少しずつ隊員たちのストレスが増していくのでした。
また、御子柴が貴重な水をシャワーで使い放題し、隊員たちと争いになる。そのドタバタの最中に、西村はお守りにしていた娘の抜けた乳歯を採氷の深い穴に落としてしまいます。ついに、西村も料理を作ることを拒否してしまうのでした。
本山がベーキングパウダーがかんすいの代わりなることを調べ西村に伝えると、西村は早速小麦粉、塩、ベーキングパウダーで手打ち麺を作り上げ、隊員たちはオーロラの観測をそっちのけでラーメンをすするのです。
室内はセットでの撮影ですが、屋外は網走の雪原で行われ、南極でなくても本当に寒そうな映像はなかなかのもの。監督・脚本は沖田修一。いろいろな映画賞を受賞したほのぼのとした良作です。
室内はセットでの撮影ですが、屋外は網走の雪原で行われ、南極でなくても本当に寒そうな映像はなかなかのもの。監督・脚本は沖田修一。いろいろな映画賞を受賞したほのぼのとした良作です。