平成初めのスポ根映画。翌年、「Shall We ダンス?」でブレイクした周防正幸監督作品で、脚本も監督が担当しています。モッ君こと本木雅弘にとっても俳優稼業に自信を持った作品と言えそうです。
バブルな時代の大学4年生、山本秋平(本木雅弘)は適当に過ごしてきてコネで就職も内定。後は卒業するだけですが、卒論の指導教員の穴山教授(柄本明)とは会ったことも無い。元学生横綱でもある教授からは、単位が欲しければ廃部の危機にある相撲部に臨時入部する交換条件を出されます。
相撲部の唯一の部員、青木(竹中直人)は相撲は好きだがいまだかつて勝ったことは無く、部を存続するため4留している人物。相撲向きの田中(田口浩正)、秋平の弟で女子に人気の春雄(室井誠明)が加わるも、いきなり参加した大会で当然のボロ負け。
OBの熊田(六平直政)からさんざん罵倒された秋平は、おもわず「勝って見せる」と宣言してしまいます。大学院生の川村夏子(清水美沙)は、華奢なのに学生横綱だった穴山を尊敬しており、相撲部のためテレビの取材をセッティングして部員の気持ちを盛り上げます。
イギリスからの留学生でラグビー経験者であるジョージは、まわしの下にスパッツ着用を条件に参加。春雄目当てにかなり体格の良い間宮正子(梅本律子)も、マネージャーとして入部します。ところが、夏合宿で小学生に歯が立たず、さすがに部員たちは奮起するのです。
秋のリーグ戦が始まり、最下位の最下位の彼らは何と勝ち続けますが、春雄が骨折してしまいます。上位への入れ替え戦では、正子が男子に扮して参加し善戦するも・・・
相撲をエンターテイメントにするというアイデア自体は、とても斬新ですが難しそう。そこを学生相撲にすることで、スポ根として成立させたのは周防監督の功績。本木、竹中ありきで企画が進み、まさに二人ははまり役。
各種の映画賞を多数受賞し興行的にも成功した作品で、無条件に楽しめます。まだ若い俳優陣の在りし日の姿も懐かしさ満点です。