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2023年9月25日月曜日

猫侍 (2014)

「猫侍」は、もともと東海・近畿のローカルTV局のドラマとして製作されましたが、意外に人気となりドラマ続編だけでなく、劇場版も2作品作られました。ドラマと映画では主要人物は同じですが、基本設定は異なり、別物の話として進行するのが特徴のコメディ時代劇です。

加賀藩の藩士だった斑目久太郎(北村一輝)は、剣術に関しては凄腕の持ち主でしたが、切腹の際の介錯を躊躇したため藩を罷免されてしまいます。今は、江戸に出て新しい仕官の道を探し長屋住まいの身で、傘張でわずかな銭を稼いで何とか生活しています。

町で賭場を開く二大勢力が、猫好きの頭(斎藤洋介)が率いる相川組と犬好きの頭(小野寺昭)が率いる米沢組です。ある日、形勢を逆転させるため、米沢組から相川組の飼い猫、玉之丞を斬るように依頼されます。

相川組の屋敷に忍び込んだ久太郎は、猫を殺したふりをして連れて帰ります。玉之丞は何故か久太郎になついてしまい、いつしか久太郎も玉之丞に癒されるようになりました。

そこへ、今度は相川組から米沢組の犬を殺してくれと久太郎は頼まれてしまいますが、断ると双方がお互いの犬猫をさらい対立は深まっていくのです。

過去のトラウマから人を斬れない侍が、猫をかかえたまま戦うというのがポイント。ただし、片手で戦うのは現実的ではないし、実際殺陣もしょぼい。まぁ、設定ですからしょうがないし、そこがほかの時代劇と差別化されている部分なので受け入れないとしょうがない。

1990年から俳優活動を開始した北村一輝は、芽が出てきたのは2000年から。濃い目のキャラとして、しだいに人気が出て登場するとなかなかの存在感を示しています。ここでも、ずっとしかめっ面をしつつ、とぼけた心の声が絶えず出てくるという特殊なキャラを演じきっています。

だいぶ低予算だとは思いますが、日光江戸村で撮影が行われ、そこそこにまとめあげている感じです。猫好きにはけっこう楽しめる映画だと思います。

2015年に第2弾となる「猫侍 南の島へ行く」が公開されていますが、土佐に行くはずの猫侍が通り越して南の島にまで行ってしまい、原住民といろいろ・・・という話ですが、これは企画が失敗だと思います。時代劇である必要がなく、もうほとんど意味不明な展開なので、はっきり言って無理。