2023年12月26日火曜日

PHEVへの道 1 エコカーの種類


自動車が走る基本的に仕組み・・・って、雑な理解としては、動力源で分類すると、従来からの一般普及しているのがガソリン・エンジン車、そしてディーゼル・エンジン車、そして21世紀になって急速にシェアを広げたのがガソリン・エンジン+電動モーター車、最近特に注目されるの完全電動の電気自動車、未来型の水素を利用する燃料電池自動車などがあります。

化石燃料を利用することは地球温暖化に大きな影響があり、排出するCO2ガス削減の取り組みは全地球規模で必須のものとして認識されている昨今ですから、少なくとも一般人が普段利用する自家用車については、できるだけガソリンを使わないエコな車にシフトしていることは当然と言えば当然のこと。

海外では電気自動車(BEV)の普及が急ピッチに行われている印象ですが、日本はとなると実に遅れている。新車販売台数のうち、半分以上がBEVとなったヨーロッパに対して日本はわずか3%程度。

最初に実用BEVを発売した日産でさえ、いまだにリーフ、アリア、サクラの3車種のみしかありませんし、ましてや日本の車産業の頂点に君臨するトヨタに至ってはbZ4Xの1台のみ。最近になってLEXUSブランドからUX300e、RZ450eの2つが追加されました。スバルもbZ4Xと同一車体のソルテラだけですし、ホンダもミニカーみたいなHonda eのみです。マツダはMX-30のBEVモデルの1種。世界初の量産型BEVだったi-MiEVを送り出した三菱自動車も、今では軽自動車大2車種だけです。

いろいろな理由が言われていますが、日本の場合、トヨタのガソリン・エンジン+電動モーター車(ハイブリッド車、HEV)の先駆けとなったプリウスが「国民車」並みに普及したことで、使い勝手が良いHEVが浸透してしまったということ。そのHEV総本山のトヨタは、燃料電池自動車(FCV)の開発に重点を置き、BEVに積極的でなかった点が大きいように思います。

確かに水素燃料はCO2ゼロに対しては現状での最善の解決策なのかもしれませんが、トヨタがいくら頑張っても、先に水素ステーションのインフラが整わなければ絵に描いた餅みたいなもの。ガソリンスタンド並みとは言いませんが、自分のテリトリーに数か所のステーションが無ければFCVに乗ろうとは思えません。

次の理由は、FCVは当然のこと、BEVの値段が高いということ。そして、毎日の生活に使うだけでよいという距離だけ走れれば良いなら許容範囲だとは思いますが、遠出をするとなると数百km以上続けて走れないと、BEVで旅行なんて怖くてできません。最近の車種は、やっとそのレベルになってきたので、実用性は高まっていることは間違いありません。

ユーザー側からすると、基本的に自宅で充電というのが理想ですが、日本の住宅事情を考えると、簡単に充電設備を整えられるのは戸建住宅のみです。しだいに増えつつあると言っても、パブリックの充電施設は十分とは言えませんし、またガソリンなら数分で満タンなのに対して充電時間は最低でも30分かかり、それにかかる費用もガソリンよりも高くなることも普及を遅らせる要因の一つです。

現状の自動車用の電池はニッケル水素電池かリチウムイオン電池の二者択一ですが、どちらも一長一短なので、そこで特に期待するのはトヨタが力を入れている全固体電池の実用化です。全個体電池は安全性・容量などを格段に改善できると言われており、BEVに搭載されれば、様々な使用上の不安は払拭されると思われます。

となると、現状でのよりベターな選択肢の一つにあげられるのがプラグイン・ハイブリッド車(PHEV)でしょう。HEVでは電池走行はせいぜい数kmで、実質的にはガソリン・エンジンのあくまでもサポートという位置づけです。PHEVは通常のHEVよりもより大きな電池容量を搭載するもので、数年前までは電池だけで数十kmまでは走れるのでちょっと買い物くらいならBEVみたいに使用できるというのが謳い文句でした。

しかし、最近のPHEVは違います。100km近くBEVとして走れるものが普通になってきたので、毎日夜に充電していれば確実に日常使いでエンジンが動くことは無くなりました。電池容量を使い切れば、通常のHEVとして走り続けられるので遠出も安心です。ただし、より大きな電池を積んでいるため、車体重量が増え同型のHEVに比べると燃費は落ちてしまいますし、当然価格も高くなる。

まぁ、だいたいこれくらい整理しておけば、それぞれの特徴を大掴みできたかなという感じです。自分のライフスタイルと照らし合わせて、より地球環境にやさしい選択をしていくことが大事というまとめになるかと思います。