2023年12月18日月曜日

風と共に去りぬ (1939)

ハリウッド映画、いや世界中の映画の中でも金字塔と言える作品。アカデミー賞では、作品賞・監督賞・主演女優賞・助演女優賞・脚色賞・特別賞・技術効果賞を受賞。

最初のカラー映画は1932年のディズニーの「花と木」で、長編映画としては1935年の「虚栄の市」が始まりです。この作品は、そういった初期のカラー作品としても、十分に色彩の見事さを再現したことは驚嘆に値します。

製作は当時のハリウッドの大親分であったデビッド・O・セルズニック、監督はヴィクター・フレミング。原作はマーガレット・ミッチェルで、南北戦争と共に白人の権威が「去っていく」ことを描いています。

前後編に分かれ、全部で222分という長尺の映画でしたが、壮大なストーリーが人々を魅了し大ヒット。初公開から85年ほどになりますが、いまだに色あせない魅力が詰まった作品です。

南北戦争直前の時代。アメリカ南部の農園主の娘、スカーレット・オハラ(ヴィヴィアン・リー)はアシュレー・ウィルクス(レスリー・ハワード)が好き。しかし、アシュレーは、従妹のメラニー・ハミルトン(オリヴィア・デ・ハヴィランド)と婚約し、それを知ったスカーレットは激しく周囲にあたるのですが、その強いところに引かれたのがレット・バトラー(クラーク・ゲーブル)でした。

スカーレットは当てつけにメラニーの弟であるチャールズ(ランド・ブルックス)と結婚しますが、チャールズは南北戦争に出征し亡くなり、若くして未亡人になってしまいます。そんなスカーレットに接近してきたのが、不躾な態度をとるレットでした。

しかし、北軍が迫り陥落寸前のアトランタからレットに助けられ脱出したスカーレットは、故郷のタラに戻るもののそこは荒廃し、スカーレットは生きるために人に何を言われようとがむしゃらに行動するのでした。

最初は嫌っていたレットの再婚したスカーレットでしたが、次第にそれぞれの心は離れていく一方でした。多くの者を裏切り失ったスカーレットが、本当の自分の気持ちに気がついたときは、時すでに遅かったのです。

一番有名な台詞は、ラスト・シーンでレットに去られて失意のスカーレットが言う「明日は明日の風が吹く」で、今ではほとんどことわざのように知られ、その語源がこの台詞とも言われています。もっとも、正確には「Tomorrow is another day (明日は別の日)」ですから、翻訳した方がうまかったということ。今では、「また明日が来るわ」などの別の訳し方も使われています。

昭和人はまず見てない人はいないと思いますが、平成人はどうなんでしょうか。古い映画ですが、まったくそれを感じさせない映像は素晴らしい。もちろん、その後に多くの名作が登場してる映画界ですから、ランキングの最上位とは言えませんが、少なくとも一度見ておくべき映画であることは間違いありません。