2024年10月21日月曜日

全領域異常解決室 (2024)


突然ですが、日本人の頂点に立つのは天皇陛下。その初代となるのが、神武天皇であることはよく知られていることです。古事記の世界では、神武天皇は若い時に神倭伊波礼毘古命(カムヤマトイワレビコノミコト)と名乗り、お母さんは玉依毘売(タマヨリヒメ)でお父さんは鵜葺草葺不合命(ウガヤブキアエズノミコト)です。鵜葺草葺不合命のお父さんは、古代史では有名人である山彦、火遠理命(ホオリノミコト)で、お母さんは海神の綿津見神(ワタツミノカミ)の娘、豊玉毘売(トヨタマヒメ)です。

さて、本題。そのトヨタマヒメが重要なキーワードになっているのが、今、放送中のドラマで、フジテレビの「全領域異常解決室」です。まだ、2回の放送ですからまだ間に合います。はっきり言って、めっちゃ面白い。

何しろ「ストロベリーナイト」の黒岩勉のオリジナル脚本ですから、面白くないはずが無い。最初からハードル上げすぎかもしれませんが、少なくとも今期のテレビ・ドラマの中では、期待度一二を争う作品になっていそうです。

全領域異常解決室というのは、大和朝廷以来、世界最古の捜査機関という設定。古くは神隠しとか狐憑きと呼ばれるような超常現象を調査・解決する組織とされています。現代では、内閣官房直属の組織であり、その室長は宇喜之民生(小日向文世)で、興玉雅(藤原竜也)が室長代理として所属しています。

世間で、神隠しと呼びたくなる怪事件が頻発し、ヒルコと名乗る者から犯行声明が出されます。ヒルコは蛭子命とも呼ばれ、古事記ではイザナキとイザナミの間に生まれたとされています。しかし、何らかの不具があったらしく萱舟に乗せて流され消息不明となっている。

第1話では、謎の多い事件が頻発するため、警視庁総務部広報課の捜査経験のない雨野小夢(広瀬アリス)が、人員補強のため全領域異常解決室に出向するところから始まります。何で自分がここに移動になったのかわからない小夢に対して、宇喜之は「生まれ持っての素質がある」というばかり。

現場には死亡していると思われる大量の血痕と、髪の毛、そして身に着けていたと思われるすべての物が残されていましたが、肝心の遺体そのものがありません。現場付近の防犯カメラには、「シャドーマン」と呼ばれる不審な影が記録されていました。

このドラマの面白いところは、すべてオカルトのせいにしてしまうことなく、人知が及ぶ部分である程度事件が解決しているにも関わらず、一定の不可解な事象については謎を残す所。

しかし、事件現場に必ず姿を現す謎の女性(福本莉子)が登場し、第2話の最後に豊玉神社の巫女であり、宇喜之の何らかのつながりがあることが示されています。捜査一課のヒルコ専従班の荒波警部(ユースケ・サンタマリア)、二宮(成海璃子)らと共に興玉と雨野が今後どのような活躍をしていくのか大変興味深い展開になりそうです。