2024年10月8日火曜日

BOSS (2009)

警視庁に設置された架空の「特別犯罪対策室」が舞台。天海祐希のリーダー感が好評で、今でも根強い人気を保つドラマです。

多様化する犯罪に対応するため、様々な部署から精鋭を集めたのが特別犯罪対策室で、アメリカのFBIで最新の操作技法を研修した大澤絵里子(天海祐希)が室長に就任します。5年前に交際していた男性の家族がテロリスト集団「黒い月」との関係を疑われ、大澤は降格の上アメリカ出向となったのでした。しかし、FBI仕込みのプロファイリング技術は確かなもので、親分肌で毅然とした態度で対策室を一つにまとめていきます。

しかし、集められたメンバーは、各部署のお荷物みたいな存在ばかり。科学捜査研究所から来たのは木元真美(戸田恵梨香)で、とにかく朝が弱い。刑事には向いていないと自覚しつつも、様々な物理・化学的分析の能力は確かで、コンピュータ捜査にも長けハッキング技術も持っています。

捜査第一課から来た片桐琢磨(玉山鉄二)は、冷静沈着の度が過ぎて当初自分の殻にこもっていました。刑事としては優秀ですが、過去に誤って犯人を射殺してしまったため、以来拳銃を撃てないトラウマを抱えています。

交番勤務から移動となった花形一平(溝端淳平)は、「やる気、元気、花形!」が口癖ですが、実力が伴わずドジが多い。岩井善治(ケンドーコバヤシ)は、組織犯罪対策第四課、いわゆる〇ボウ出身の肉体派。女性よりも男性に興味があり、しばしば相手の尻に手を出してしまいます。山村啓輔(温水洋一)は生活安全部からの移動で、「落としの山さん」と呼ばれていますが、実は落とし物ばかりしているといううっかり者。その上、早とちり、勘違いが得意。

特別犯罪対策室の創設者で、彼らの上司にあたるのは刑事部参事官補佐で大澤と同期の野立信次郎(竹野内豊)ですが、いざと言う時には頼りになりますが。超がつくナルシストで、女性職員に声をかけまくり野立会と称する合コンをたびたび開催。木元を成長させるために科捜研から送り出した監察医の奈良橋玲子(吉瀬美智子)は、大澤と馬が合うのか何かと協力してくれます。

1~2話で完結するストーリー展開が基本で、対策室メンバーのそれぞれが順繰りに主役になっています。とはいえ、最もスリリングなのは最終エピソードです。

大澤とも因縁のある黒い月が再び動き始め、小規模な連続爆弾テロが発生します。爆弾の破片から大澤の指紋が検出されたため、大澤は容器者として取り調べられることになってしまいます。野立は業務上横領の疑いで捕らえられる。

しかし、野立は国家公安委員長の黒崎(西田敏夫)を人質に警視庁を脱出するのです。黒崎を救出するため、大澤の指揮によって対策班はそれぞれが動き出します。それは、警察のさらなる闇を暴くことにつながっていくのでした。

警察上層部の犯罪行為はよくあるパターンですが、もしも現実にあったら正義だけでは立ち向かうのは難しい。そこはドラマですから、そこそこめでたしめでたしで終わります。ただし、ここでは謎が残る形で終わっていて、最終的な解決は2011年のSeason 2までお預けです。