2025年2月25日火曜日

かもしれない女優たち (2015)


2015年に放送された、お笑い芸人バカリズムが釈本を手掛けたスペシャル・ドラマ。3人の当代人気女優が、「もしもブレークしていなかったなら・・・」というテーマで進む、なんとも可笑しな想像力を具現化したストーリーです。

真木よう子、1982年生まれ。多くの顔が映らないような端役ばかりで、オーディションにも落ちてばかりの売れない女優。人気者になった同期にはやたらと自慢されたり、自分のバイト先の後輩が、いきなりスカウトされメディアに注目されるようになります。

日頃のモヤモヤを日記に書くようになり、そのタイトルは「日刊 真木よう子」としました。もともと絵を描くことが好きだったので、次第に文章ではなくマンガとして書き溜めていくようになります。

水川あさみ、1983年生まれ。多くの顔が映らないような端役ばかりで、オーディションにも落ちてばかりの売れない女優。彼氏からはそれとなく芸能界にいることの不満を聞かされ、それが喧嘩の原因になることがストレス。

それでも、今日もオーディションに行く。そこで同じような境遇の真木よう子と知り合い、似た者同士で意気投合します。

竹内結子、1980年生まれ。多くの顔が映らないような端役ばかりで、オーディションにも落ちてばかりの売れない女優。早々に女優の道をあきらめ、雑誌編集者に転身。彼氏とは長い付き合いで結婚を意識していますが、相手はその話題になるとするっとかわしてしまいます。

ある日、編集長が行きつけのバーの店員が書いたものを持ってきて、「これを書籍化してよ」と言ったのが「日刊 真木よう子」でした。最初は乗り気ではありませんでしたが、人気が出た新人女優が「きっかけは真木よう子」と言っていたのを思い出して、興味を持つようになります。

何とか「日刊 真木よう子」を出版にこぎつけると、これがけっこう評判が良い。真木よう子がバイトをしていたバーで出版祝賀会をすることになって、竹内結子、真木よう子、水川あさみの三人は初めて顔を合わせます。

そこへ連絡が入り「日刊 真木よう子」は映画化、竹内結子は「社長賞」受賞し昇進が決まります。水川は女優をやめて彼氏と結婚して普通の生活をする言って、彼氏の写真を見せました。すると竹内の顔色がみるみる変わります。何とそれは、竹内が結婚したいと思っていた彼氏と同一人物だったのです。

バカリズムらしい、普通の人はあまり思いつかない視点の切り口のドラマです。最初から、それぞれがそういう生活をしていて起こるストーリーでも成立する話ですが、そもそも3人とも今や人気の女優さんであるという前提があるから、面白さが何倍にも膨らむことになります。

あくまでもバカリズムの想像ですから、実際にはこのような「その後」は起きようがないのですが、いかにもありそうなパラレル・ワールドということで違和感はありません。好評だったようで、翌年には広末涼子・井川遥・斉藤由貴の3人で第2弾が放送されています。