2025年2月28日金曜日

モンステラ・デリシオサ


モンステラ・デリシオサ・・・と聞いても、いやぁ、知らない。別名の蓬莱蕉(ホウライショウ)というのも、まったく初耳。

サトイモ科らしい・・・確かに特徴的な葉の形から、何となく想像できます。

今のところ60cmくらいですが、どうやら10m弱くらいになるらしい。

それはやばい。屋内に置いておけるもんじゃなさそうです。

でもこの葉っぱ面白い。

何とか、このままでいてください。

2025年2月27日木曜日

119 エマージェンシーコール (2025)


最近何かと話題になるフジテレビですが、フジテレビの代表的なドラマ枠が、毎週月曜日午後9時スタートの通称「月9」と呼ばれるもの。かつてはトレンディ・ドラマの王様に君臨し、多くの視聴率を稼いできましたが、この数年は話題作に乏しく、空回りしたドラマが多くなったと言われています。

今期に放送されているのが「119」で、消防車や救急車が必要な時の緊急電話がテーマ。その電話を受けて、現場でいろいろな職種の人が活躍するドラマがいくらでもありますが、基本的に声しか聞けない状況のドラマで別の意味でのサスペンスを見せてくれていて、なかなかあなどれない作品になっています。

舞台は横浜市消防局なので、自分の知っているエリアでのロケシーンもあったりして、より興味深いところ・・・なんですが、例の問題のあおりを受けて、屋外ロケも大々的にはおこないにくくなったらしい。そもそも協力している横浜市がクレジットから市の名称を削除要請したりもして、下手すれば黒歴史化しそうなところが残念なところ。

横浜市消防局司令課3係に配属された新人の指令管制員(ディスパッチャー)、粕原雪(清野菜名)は、音にを聞き分ける聴力に優れていて、かつて家が火事になったときに119番の電話の声で助けられました。教育係についた兼下(瀬戸康史)をはじめ、係長の高千穂(中村ゆり)、同僚の新島(見上愛)、与呉(一ノ瀬颯)、箕輪(前原滉)、そして大ベテランの堂島(佐藤浩市)らに囲まれ、雪は次第にディスパッチャーとして成長していくのです。

現在までに6話が放送され、いよいよ佳境に入りそうです。雪の経験した火事の謎と、堂島に忍び寄る病魔がストーリーの要になるようなので、興味がある方は見るなら最後のチャンスだと思います。

2025年2月26日水曜日

焼肉・・・っぽい。


焼肉は食べたい・・・でもカロリーは増やしたくない。

そんな悩みを解決するかもしれない作戦の一つです。

なんてことはない。蒟蒻を焼くだけ。

いかにもそれらしい厚みに切ったら、ちょっとだけごま油をひいたフライパンで、徹底的に焼きます。

蒟蒻は水分が多いので、しっかりと水分が飛んで厚みが半分くらいになって、焦げ目がつけばOKです。

後はお好みの焼肉のたれをかけ回せば出来上がりです。

食べてみる。蒟蒻そのものの味はだぶ薄まって、食感としては肉に近づいています。味は焼肉のたれですから、まさに約肉です。やはり焦げがポイントですね。

食材も安いので、一度は試しても損はありませんね。





2025年2月25日火曜日

かもしれない女優たち (2015)


2015年に放送された、お笑い芸人バカリズムが釈本を手掛けたスペシャル・ドラマ。3人の当代人気女優が、「もしもブレークしていなかったなら・・・」というテーマで進む、なんとも可笑しな想像力を具現化したストーリーです。

真木よう子、1982年生まれ。多くの顔が映らないような端役ばかりで、オーディションにも落ちてばかりの売れない女優。人気者になった同期にはやたらと自慢されたり、自分のバイト先の後輩が、いきなりスカウトされメディアに注目されるようになります。

日頃のモヤモヤを日記に書くようになり、そのタイトルは「日刊 真木よう子」としました。もともと絵を描くことが好きだったので、次第に文章ではなくマンガとして書き溜めていくようになります。

水川あさみ、1983年生まれ。多くの顔が映らないような端役ばかりで、オーディションにも落ちてばかりの売れない女優。彼氏からはそれとなく芸能界にいることの不満を聞かされ、それが喧嘩の原因になることがストレス。

それでも、今日もオーディションに行く。そこで同じような境遇の真木よう子と知り合い、似た者同士で意気投合します。

竹内結子、1980年生まれ。多くの顔が映らないような端役ばかりで、オーディションにも落ちてばかりの売れない女優。早々に女優の道をあきらめ、雑誌編集者に転身。彼氏とは長い付き合いで結婚を意識していますが、相手はその話題になるとするっとかわしてしまいます。

ある日、編集長が行きつけのバーの店員が書いたものを持ってきて、「これを書籍化してよ」と言ったのが「日刊 真木よう子」でした。最初は乗り気ではありませんでしたが、人気が出た新人女優が「きっかけは真木よう子」と言っていたのを思い出して、興味を持つようになります。

何とか「日刊 真木よう子」を出版にこぎつけると、これがけっこう評判が良い。真木よう子がバイトをしていたバーで出版祝賀会をすることになって、竹内結子、真木よう子、水川あさみの三人は初めて顔を合わせます。

そこへ連絡が入り「日刊 真木よう子」は映画化、竹内結子は「社長賞」受賞し昇進が決まります。水川は女優をやめて彼氏と結婚して普通の生活をする言って、彼氏の写真を見せました。すると竹内の顔色がみるみる変わります。何とそれは、竹内が結婚したいと思っていた彼氏と同一人物だったのです。

バカリズムらしい、普通の人はあまり思いつかない視点の切り口のドラマです。最初から、それぞれがそういう生活をしていて起こるストーリーでも成立する話ですが、そもそも3人とも今や人気の女優さんであるという前提があるから、面白さが何倍にも膨らむことになります。

あくまでもバカリズムの想像ですから、実際にはこのような「その後」は起きようがないのですが、いかにもありそうなパラレル・ワールドということで違和感はありません。好評だったようで、翌年には広末涼子・井川遥・斉藤由貴の3人で第2弾が放送されています。

2025年2月24日月曜日

殺意の道程 (2021)

注目の脚本家バカリズムによる初めてのサスペンス物で、監督はバカリズムと親交が深い住田崇です。もともと、2020年にWOWWOWで1話30分全7回で放送されたドラマですが、翌年に2時間の劇場版として登場しました。

窪田一馬(井浦新)の父親は、町の小さな下請工場を経営していました。しかし、取引先の会社社長である室岡(鶴見慎吾)に騙されて、会社は倒産し、父親は投身自殺してしまいます。一馬と従弟の吾妻満(バカリズム)は、復讐するため、協力して室岡を殺すことにするのです。

・・・と、ここまでは、よくあるクライム・サスペンスの導入部なのですが、さすがにバカリズムの目の付け所は一味も二味も違います。バカリズムは、通常のドラマではほとんど省略されてしまう殺人計画を少しずつ組み立てていく過程に注目します。

二人は満の友人の事務所を借りて計画を立て始めます。そこへその友人が、キャバクラ嬢のこのは(堀田真由)を連れて現れます。このははサスペンス物が大好きで、二人に絶妙なアドバイスをし始めるのでした。

このはの意見で、誰かに聞かれてもばれないように、このプロジェクトは「いちごフェア」と呼ぶようになり、さらに可能な殺人方法も教えてもらいます。二人は使用する道具をホームセンターに買い出しに行くのですが、包丁とかバールとかロープとか、いかにもそれらしい物だけだと怪しまれるので、どうでもいいものも大量に買って帰ります。

このはにさらにアドバイスを聞きたくて、二人は務める店にでかけます。そこで、このはの同僚であるゆずき(佐久間由衣)にもいちごフェアの話をして応援してもらうことになるのです。ゆずきは占いが得意だったので、一番運勢の良い日を教えてもらい決行日を決定するのです。

このはの監督の元、公園で殺人リハーサルを行い、計画は最終段階に入ります。そして、あらためて父親が亡くなった前後の状況を調べていくうちに、父親の死そのものも室岡による殺人の可能性が出てきました。あらためて怒りの気持ちを強くした二人は、ついに直接室岡のもとに向かうのでした。

確かに一般人が、いざ人を殺そうと考えても、まぁ普通はどうしたものか途方に暮れるのがオチです。激情的に行えば、ほぼ捕まるわけで、日本の警察は世界でもかなり優秀と言われています。じっくり計画して完全犯罪を目指すのであれば、相当綿密な計画を立てなければなりません。

そこんとこをメインにドラマを組み立てるというのは、普通はなかなか思いつく物ではありません。このはというマニアの助っ人を登場させて、計画が前進していくところが面白い。また、なかなか自主性が伴わない主役の二人のキャラクターも絶妙な設定になっています。

あくまでも殺人を行おうとする過程を描くことがテーマですから、めちゃめちゃいい人である主人公二人が、最終的には悪者にならずにハッピーエンドになるまとめかたも納得です。

2025年2月23日日曜日

架空OL日記 (2020)

芸人バカリズムが、銀行員のOLの立場で、架空の日々の様子をブログ形式で書いた小説が原作。バカリズム自ら脚本にして、なおかつバカリズムがそのままOLとして登場するという異色のドラマです。監督はバカリズムと親交が深い住田崇。

もともとは2017年に放送された1話30分全10話のテレビ・ドラマですが、劇場場は単なる総集編ではなく、似たような話だけどビミョーに異なったり、まったく新たなエピソードが盛り込まれてテレビ版を知らなくても、また知っていればより楽しめる作りになっています。

みさと銀行の練馬支店に勤務するのは、6年目の「私」(バカリズム)、私と同期の真紀(夏帆)、8年目で姉御肌の小峰(臼田あさ美)、10年目でのんびりした酒木(山田真歩)、そしてノウハウが未熟な後輩の紗英(佐藤玲)たちです。

彼女たちは上司の顔色をうかがいつつも、仕事はそつなくこなす毎日ですが、更衣室に戻ると本音トークに花が咲きます。それは上司の悪口だったり、給湯室のスポンジの使い方だったり、駅前の新規開店のイタリア料理店の話だったり、それはもうごくごく普通のことばかり。

映画版では、怖い小野寺課長(坂井真紀)、韓国との交換交流でやってきたソヨン(シム・ウンギョン)、「私」の高校の同級生のリエ(志田未来)などが加わり、話の舞台がより広がっています。

テレビドラマでも映画でも、こののりで進行していくので、大事件が起こるようなことはありません。それでも、いかにもOLあるある的な些細なストーリーが妙にうける。最初はバカリズムが女性の中に混ざって、そのままの姿で登場することに違和感を感じますが、不思議とだんだん慣れてしまいます。

そして、実はテレビでも映画でも、「私」は最後には消えてしまう。消えてもOLたちは、まったく問題なくいつもの生活を続けるのです。名前のない「私」は、あくまでもバカリズムの妄想の産物であり、OLたちからすれば幻みたいなもの。「私」が消えた後には、OL達を冷静に見つめる「男性」であるバカリズムがいるだけなのです。

喫茶店で日がな一日OL達を観察し続けていたのかと思うくらい、バカリズムの笑いを抽出する観察眼がすごい。直接ギャグを飛ばすわけではなく、日常にいくらでも転がっているクスっとしたくなる瞬間を多角的に描くのは、まさにバカリズムの真骨頂と言えそうです。

2025年2月22日土曜日

makita 降臨


dysonのコードレス掃除機が壊れて、重たい旧式をえっちらおっちら移動させるのは疲れる。それに電源コード付きでは、外に持ち出して車の掃除とかできない。

・・・・というわけで、ジャジャーン!!

makitaのコードレスを買いました。

makitaといえば、電動工具メーカーで、DIYの趣味が無い人でもそりロゴは一度は目にしたことがあるだろうというくらい有名です。

そもそも現場で細かいゴミを清掃するのが目的で、コードレス掃除機を出していたわけですが、あまりにも優秀ということで、今はコードレスと言えばdysonかmakitaかというくらい売れているらしい。

掃除機の性能は、一般的に「吸引力」で評価されやすいのですが、実はもう一つ、「集塵力」が大事。数字上はdysonより吸引力が上回るものもありますが、dysonの強みは圧倒的な集塵力です。

makitaの場合は、dysonと同等の吸引力と言われていますが、パワーヘッド(電動回転ブラシ)では無いので集塵力は劣ります。しかし、いろいろな優秀な点も見逃せません。

まずdysonよりもたいへん静か。というか、dysonはうるさ過ぎる。これはけっこう大事なところだと思います。あと、自分は持っていないのですが、もしもmakitaの工具を使う場合はバッテリーが互換性で使いまわしができます。

ビミョーに嬉しいのは、ロック可能で4段階の強弱が選べるON-OFFのスイッチの位置。dysonは握っただけでスイッチに触れてしまい動いてしまうことが多く、しかもロック出来ないので使用中はずっと押していないといけないのが疲れます。

さて、選んだのは最新のサイクロン式のCL286FDで、色はオリーブです。白もありますが、写真だと安っぽく見えます。Amazonで約1万7千円。おっ、安いと思うのは早すぎる。これは本体のみの値段。

充電器とバッテリーがけっこう高い。某国製の安いものだと数千円で売っていますが、この手のものは規格以下の性能だったり、発火事故などの原因として要注意。

そこで充電はmakita純正品 DC18RF をチョイスしましたが、これが9千円。バッテリーは純正品はめちゃめちゃ高いので、安心の日本製DIGIFORCEを選択し、これが8千円です。

最低必要なのがこの3つなので、合計は3万4千円になります。dysonよりは多少割安かなという感じなんですが、性能をさらに高める必需品があります。

もとから付属するヘッドはフローリング用。カーペットでは集塵力が弱いので、フロア・カーペットノズル (A-73025 2,200円) は家庭用で使うなら必要。排気をきれいにして匂いを取り除く効果があるHEPAフィルター(A-74457 1,800円)もあった方が良い。車の掃除にはヘッドをラウドブラシ (A-72279 1,000円)に装着した、フレキシブルホース(1,350円)に交換したい。

バッテリーはやはり2個あったほうが精神的に良いので、もう1個用意しました。そんなわけで、全部で4万8千円ほどになってしまいましたが、使ってみての満足度はかなり高い。dysonよりも優秀とはいいませんが、普通に使うにはまったく遜色なくしっかりと掃除をしてくれました。

2025年2月21日金曜日

dyson 残骸


これがうちに来たのは・・・

たぶん、7、8年前くらいでしょうか。

確かにすごくゴミを吸い取ってくれました・・・が、その期間は短かった。

数年で電池がダメになって、dysonの直売で高価な交換品を購入したものの、その電池はもっと寿命が無かったような気がします。

本体部分にも緩みが出て、ガタガタしていたらと思ったら割れてしまいました。

パワーヘッドの可動部の柔らかい部分はボロボロになってしまいました。

結局、この数年は普通の昔ながらの掃除機ばかり使っています。

穴をふさいでみたり、ダメ元で充電を試みたり、いろいろやってみましたが、さすがにもうあきらめました。

大満足と言う方が多いとは思いますが、うちでは高価なだけであまり活躍したとは言えない結果でした。

2025年2月20日木曜日

BALLARINI


イタリア料理作りにはまった時に、コーティング無しの「鉄パン」を買ってのですが、うまく使いこなせなくて、結局コーティング有のアルミ製フライパンを使っていました。

当然、数年使い込むとコーティングが荒れて、こびりつきやすくなり、そろそろ限界になりました。まぁ、安物は1年もてば十分という感じなので、数年使えれば元は取れたようなものだと思います。

新しいものを買うことにしたのですが、今回はイタリアの調理器具メーカーであるバッラリーニにしました。

実は、前回の時も候補の一つだったのですが、値段(\8,000くらい)が張るので躊躇した・・・んですけど、Amazonで割引になっていて\6,000になっていたので、チャンスとばかりにポチってしまいました。

バッラリーニのIH対応のコーティングタイプを買おうという時は、たいていの方が迷うのは、トリノにするかサリーナにするかというところ。

コーティングは独自のグラニチウムというもので、サリーナが7層、トリノが5層になっています。安物よりも圧倒的な耐久性があることは実証済み。トリノでも、手荒く使っても3年以上は問題が無いといわれています。

どちらも鉄製なので重さはありますが、その分全体に均一に熱が広がりやすい。サリーナは1万円を超えてしまうので、さすがにちょっと家庭向きとしては高い。

というわけで、最も選ばれているトリノ(26cm)にしました。使ってみると、重さは意外と気にならない。取手も掴みやすく、気持ちよく調理ができる印象です。長く使えれば、高い買い物ではないと思いました。

2025年2月19日水曜日

セブンのおにぎり 62


でかい系おにぎりが、せぶんいれぶんにも登場しました。

ファミマやローソンには、だいぶ前からでかい系はあったんですが、セブンはたぶん見かけた覚えがありませんでした。

「一膳御飯」と名付けられたシリーズですが、その名の通りお茶碗一杯分の量のようです。

今回登場したのは、「とり五目」と「紅しゃけわかめ」ですが、他にも「しらす御飯」というのもあります。

すでに普通サイズで味はわかっているので、とくに珍しくはありません。とにかく何でも値上がりのご時世ですから、少しでも安く腹を満たしたいという向きには歓迎されるところだと思います。

2025年2月18日火曜日

転校生 さよならあなた (2007)

大林宜彦監督が。予定していた別の作品が諸事情で難しくなったために、1982年の名作「転校生」をセルフ・リメイクしたもの。ただし、「あの夏の日(1999)」で尾道は最後と決めていたので、場所は長野市善行寺に変更されました。

前作でお互いに「さよなら、私」、「さよなら、俺」と言うラスト・シーンにかけて、今回の副タイトルは「さよならあなた」になっています。また、内容は前半こそ転校してくるのが男子に変えられていることを除けば、ほぼ前作と同じように展開していますが、後半はかなり思い切った変更が加えられていて、前作を知っていても新たに映画として楽しめる仕掛けになっています。

斉藤一美(蓮仏美沙子)は、長野市の善光寺近くの中学校に通っています。そこへ幼稚園で一美と一緒だった斎藤一夫(森田直幸)が、母親の直子(清水美沙)が離婚したため転校してきます。一美の家は父の孝造(田口トモロヲ)と祖父の孝之助(犬塚弘)とで蕎麦屋を営んでいて、母の千恵(古手川祐子)が手伝っていました。

一美は一夫を連れ立って、蕎麦打ちに欠かせないさびしらの水場の湧水を取りに行くことにしますが、二人は過って水場に落ちてしまい溺れそうになるのです。何とか浮き上がった二人は、呆然としたままそれぞれの家に帰りました。

家に帰った一夫は、鏡に映る一美の姿に驚き、体にも無いものが有り、有るものが無いことに気がつきます。帰ってきたのが女子なので直子も驚き、一夫は慌てて一美の家に向かいました。姿が一夫になってしまった一美も、どうしていいかわからず混乱していました。

登校しても何とか取り繕う二人ですが、一夫はピアノが得意でしたが、先生(石田ひかり)から弾いて見せてと頼まれても一美はまったくできません。学年旅行で温泉に行くと、一夫は女の子に囲まれ鼻血を出して倒れてしまいます。一美の彼氏、秀才の山本弘(厚木拓郎)は二人の態度を怪しみ、二人の心と体が入れ替わってしまったことに気がつきます。

しかし、一美の体に異変が生じます。体調を崩した一夫の心を持った一美は入院しますが、病院からは不治の病で余命はわずかであると告げられてしまうのです。一美の心を持つ一夫と弘は、一夫と仲の良かった吉野アケミ(寺島咲)に連絡し長野に来てもらいます。アケミも、一夫を見て二人が入れ替わった話を信じるのでした。

弘とアケミの協力で、一夫の姿の一美は弱った一美の姿の一夫を病院から連れ出します。二人は「駆け落ち」のようにあちこちを見て回り、お互いに自分に別れを告げる気持ちに整理をつけました。最後にもう一度さびしらの水場を訪れた二人は、またや水場の中に落ちていくのでした。

男女の心と体が入れ替わるのに「階段落ち」という定番を作った前作でしたが、大林監督はこれをどうやってリニューアルするのかだいぶ考えたのではないでしょうか。ただ、水場に落ちるというのは、階段落ちほどのインパクトは無いかもしれません。

前作はハッピーエンドでした。しかし、新三部作を終えて、新しい「転校生」は生と死を描きこんだところが一番の違いになっています。ただし、さすがに重苦しい悲しさよりも、お互いに納得し希望を持って次のステージに行くような終わり方にしているのは監督の哲学なのでしょう。

昭和のアナログ感を思い出す作品が続いていましたが、ここで大林監督は初めて携帯電話が登場しメールのやり取りをするというのは、時代が進んだことを実感します。そしてスタッフロールの最後で尾道の遠景が映し出されるのは、自ら前作にリスペクトしたのだろうと思います。

2025年2月17日月曜日

マヌケ先生 (1998)

この作品の監督は内藤忠司で、大林宜彦監督作品で助監督を長年務めた方です。1998年1月に中国放送が90分枠のテレビドラマとして放送しましたが、2000年に20分間追加されたものが劇場版として公開されました。

中国放送から依頼されたものの「あの、夏の日」にかかりきりだった大林監督が、せっかくなので少年時代を回想した自著を原作に、自分は「総監督」という立場で口を出さずに、実質的には内藤をはじめとした大林組に任せた作品です。

映画監督の馬場鞠男(三浦友和)は、新作を故郷の尾道で作ることにしていましたが、なかなか良いアイデアが浮かばないままに尾道行の列車に乗り込みます。向かいの席に風変わりな紳士(谷啓)が座っていて、「尾道のタンク岩に行ってともだちの宝を探す。あなたならわかるでしょう」と言うのですが鞠男にはよくわかりません。

眠気がさした鞠男は、戦時中だった少年時代(厚木拓郎)を思い出します。一緒に落とし穴をつくってくれた校長先生(荻原賢三)、蛇から逃げ方を教えてくれたおなご先生(洞口依子)、知らないことがあるとこどもたちに正直に謝るおとこ先生(林泰文)などが懐かしい。

そして広島にいる父親の馬場九八郎(竹内力)に会うため、母親の文子(南野陽子)と一緒に列車に乗っていて、活動写真小屋の病弱な娘、辰村千代子(有坂来瞳)と知り合います。久しぶりに会った九八郎は鞠男に「好きなことをとことんやれば神様が道筋を作ってくれる」と語るのでした。

終戦を迎え、尾道も自由な空気になり、鞠男は教科書の片隅に可愛い紳士が動くパラパラ漫画を書いていました。そして、それを活動写真にしようと思い立ち、色が抜けてしまった活動写真のフィルムに一コマ一コマを手書きしていきます。

大人の鞠男は紳士に導かれるように少しずつ少年時代の記憶を呼び起こし、自分が初めて作った活動写真の主人公に「マヌケ先生」という名前を付けたことを思い出します。出来上がった活動写真の映写会行うことになり、町のあちこちにポスターを張り、手作りの招待券を千代子にも渡したのでした。

大盛況の上映会となりますが、千代子の姿はありませんでした。千代子は亡くなって見に来ることができなかったのです。しかも、活動写真の中からマヌケ先生が飛び出して逃げ出してし、タンク岩のところで消えてしまいます・・・そこで列車が尾道に到着し、鞠男はその時のフィルムをタンク岩の下に埋めたことを思い出します。紳士が言う「ともだち」とは自分の事だと気がついた鞠男に、紳士は「私がマヌケ先生です」と言うと、再び走って逃げていくのでした。

谷啓は得意のトロンボーンを演奏したり、歌を歌ったりの大活躍。鞠男の祖父は丹波哲郎、祖母は入江若葉、活動写真小屋のおかみに風吹ジュン、下男にミッキー・カーティスなどが登場し、大林作品常連が大勢出てきて花を添えています。子役の厚木拓郎は「あの、夏の日」と同時期の登場ですが、この後の多くの大林作品に登場する存在になりました。

鞠男が活動写真を作ろうと思い立つきっかけはアメリカ人の記録映画監督に出会ったからなんですが、これはいかにもジョン・フォード監督をパロディにしたもので、大林宜彦がカメオ出演して怪しげな英語で熱演しています。また、馬場鞠男という名前も、60年代のイタリアのホラー映画の巨匠、マリオ・バーヴァに由来しています。

大林宜彦が映画を作るきっかけのエピソードを使ったファンタジーですが、こどもを否定しない家族に囲まれて、戦中・戦後の苦しい時代を生き抜くたくましさをうまく現在と過去を交差させて描いています。

正規の大林宜彦の監督作品ではありませんが、2つの大林宜彦監督の尾道三部作の番外編として、大林監督が好きで、特に尾道作品が気に入った方は、絶対に合わせて見ておくべきものだと思います。

2025年2月16日日曜日

あの、夏の日 - とんでろ じいちゃん (1999)

大林宜彦監督の「新・尾道三部作」の最後は、原点である「転校生」と同じ山中亘の小説「とんでろじいちゃん」が原作。新三部作は尾道市政100周年記念する企画であり、本作は文部省、厚生省、全国PTAなどの多くの推薦を受けました。

小学5年生の大井由太(厚木拓郎)は、のんびり屋で「ボケタ」とあだ名されていました。尾道にいる昔校長をしていた祖父の大井賢司郎(小林桂樹)が、最近おかしなことをするのでボケたのではないかと心配する両親(嶋田久作、松田美由紀)から頼まれて、ボケタは夏休みの間、おじいちゃんを監視するため尾道にでかけていきます。

祖母の亀乃(菅井きん)の話では、おじいちゃんは他人の葬儀で急にラジオ体操をしたり、他所の家に家に入り込んでお供え物を食べ散らかしたりしたらしい。しかし、実際合ってみると、ボケタには厳しいけど優しい感じで、「明日、メダカやドジョウを見せてやる」と言うのです。

おばあちゃんは今どきメダカなどおるものかと言うのですが、翌日おじいちゃんは尾道水道を挟んだ向島が見える場所にボケタを連れて行き、手を握ると「目を閉じろ、息を止めろ」といい「夢のまきまきに・・・」と歌い出します。すると、二人の体は浮き上がり、向島まで空を飛んでいくのでした。気がつくと周りはのどかな田園風景がひろがり、おじいちゃんは小川にいる魚たちをボケタに見せてくれたのです。

おばあちゃんとボケタは、向島に潮干狩りにでかけます。そこで、顔なじみの長惠寺の小林雪路(入江若葉)と娘のミカリ(勝野雅奈恵)と出会い、昔、寺に出入りしていたホラタコの多吉(小磯勝弥)が弥勒菩薩の仏像を壊して、左手の小指だけが紛失したままだという話を聞きます。ミカリは玉虫を見せてあげようとボケタを長恵寺に案内します。そこで、ふだん入ってはいけないといわれてる昔結核で亡くなった叔母のお玉(宮崎あおい)の部屋で蓄音機を鳴らします。その曲は「ジョスランの子守唄」で、まさにおじいちゃんが口づさむ「夢のまきまき・・・」でした。

ボケタはおじいちゃんが、お玉、多吉らと昔何かの出来事があって、ずっと心に引っかかっているのではないかと考え、もう一度空を飛んで一緒に向島に行こうと言いました。翌日、あの歌に乗って気がつくとボケタは、長恵寺に入っていくこどもの時のおじいちゃんを見つけました。おじいちゃんの賢司郎は、結核のため部屋から出れないお玉が蓄音機から流す「ジョスランの子守唄」を聞き入るのです。そして、玉虫がいるから捕まえようと多吉に誘われた賢司郎は、言われるがままに弥勒菩薩の手にとまっていた玉虫を獲ろうと突いた棒で仏像を壊してしまったのでした。

こどもの時の淡い恋と仏像を壊した思い出を心の奥に封印していたおじいちゃんが、死期が近づき過去を清算しようとしていたのが奇怪な行動になっていたのですが、疑うことを知らないボケタの後押しでその想いの真相にたどり着き、悔いを残すことなく一生を終えることになります。

賢司郎とお玉の関係とボケタとミカリを対比させながら、両者を「ジョスランの子守唄」でつなぎ止め玉虫を象徴的に扱うことで、映像に情緒的な広がりを作り上げているところが大林監督の真骨頂のように思います。

前編に尾道弁を強調した脚本と、今までにないくらいたっぷりと尾道の自然を映し出すことで、シリーズの最後を飾るのにふさわしい作品になっています。

2025年2月15日土曜日

あした (1995)

大林宜彦監督の「新・尾道三部作」の第2弾で、今作も第1弾「ふたり」と同じ赤川次郎の小説「午前0時の忘れもの」が原作です。映画化された「ふたり」の完成度に感激した赤川次郎が、自ら監督に映画化を勧め実現しました。

あまり知られていない小さな浜に船着き場待合室と桟橋をセットで組み、ほとんどがその場所で話が進行するため、舞台は尾道ですがそれらしいシーンは多くはありません。大林作品としては珍しい「グランドホテル形式」による群像劇のスタイルになっています。

3か月前に小型客船の呼子丸が尾道沖で嵐のために沈没し、乗客は全員絶望が伝えられました。残された家族や友人たちは、様々な想いを抱いてなかなか日常に戻れない生活をしていました。

安田沙由利(椎名ルミ)は、信頼する水泳コーチの唐木隆司(村田雄浩)を事故で失い、良い記録を出しても一緒に喜んでもらえず辛い毎日でした。ある時、掲示板に「さゆりへ、今夜午前0時に呼子浜で待つ、RYUJI」という伝言を見つけ、混乱する心を持ちつつもバイクで飛び出していくのでした。

中学生の朝倉恵(宝生舞)は、事故で亡くなったはずの大好きだった高柳淳(柏原収史)から同じようなメッセージを受け取り、自転車で呼子浜を目指します。会社員の永尾要治(峰岸徹)は、妻の厚子(小林かおり)と娘のしずか(大野紋香)を失ったのですが、会社のFAXにメッセージが届いたため、車に乗ってでかけます。会社役員の夫、森下薫(井川比佐志)を失った妻の美津子(多岐川裕美)は、秘書の一ノ瀬布子(根岸季衣)と共にモーターボートで出発しました。

そして地元の親分、金澤弥一郎(植木等)は、妻の澄子(津島恵子)と孫の正を亡くしていましたが、メッセージを受け取ると、部下の池之内勝(ベンガル)、山形ケン(小倉久寛)、大木貢(林泰文)を引き連れて車で呼子浜に向かいますが、途中で車が入れない道になってしまい徒歩を余儀なくされました。さらに、弥一郎を殺して組織を手にしようと、笹山剛(岸部一徳)と笹山哲(田口トモロヲ)の兄弟が後を追いかけていました。

たまたま旅行に来ていた大学生の原田法子(高橋かおり)と綿貫ルミ(朱門みず穂)は、フェリーの時間を間違えて帰れなくなり、呼子浜にたどり着き、仕方がなく待合室で夜を明かすことにしました。そこへ、次から次へと人が集まってくる。その中に、小学生の時待ち合わせの約束をしたきり会うことがなかった大木貢を見つけます。

貢は笹山兄弟に言い含められ弥一郎を殺すはずでしたが、どんどん人が増えてタイミングを失っていました。しびれを切らした哲が飛び出してきますが、弥一郎はとにかく0時まで待てと説得します。法子は貢にあの時の約束をずっと待っていたといい、まだやり直せると話すのでした。

そして午前0時。桟橋の向こうに音を立てずに呼子丸が浮かび上がってきて、桟橋に着くと、死んだはずの人々が次から次へと降りてきたのでした。

新・尾道三部作は生と死を正面から描いているところが共通の特徴としてありそうです。ここでは、多くの死が一時的に戻って来て、生の側に残された人々との間で、お互いに残して来た想いを伝えあうドラマが描かれます。

普通に別れの挨拶をできなかったことの無念だけでなく、亡くして大切さを初めて気がつく者、なんとかそのまま生き返らせようと考える者、自分の想いだけで相手には伝わっていなかったことがわかる者などなど、様々な再会がありました。

しかし、いずれも夜が明けるまでの生と死の再会であり、それと強く対比されるのが法子と貢の再会です。二人は未来がある生と生の再会であり、再び沈んでいく船と共に消え去ることはありません。

わずかな出番ですが、大変印象的な登場をするのが「わたし」と名乗るだけの原田知世です。船から降りてこない、誰も待っていない女性で、自ら大林監督にそんな乗客もいてもいいんじゃないかとアイデアを出したもの。誰とも再会しない人もいることが、再会した人々をより印象的なものにしているように思いました。