ろいまちす・・・昔の関節リウマチの呼び名で、ドイツ語が語源です。日本の医学は、もともと戦前のドイツ医学からの流れの中で出来上がってきたので、今でもドイツ語がちょろちょろと残っているんですよね。
でも、自分くらいの年の医者からは、ほとんど現場でもドイツ語を使うことは無く、ほとんど日本語化した言葉としての元ドイツ語だった単語をちょこっと使う程度です。でも、今時関節リウマチをロイマチス、あるいはリューマチと呼ぶのは、相当年配の医者だけです。
この言葉には、実はヒポクラテス以来の医学の歴史が凝縮していて、関節痛を呈する疾患全般を含むものだったんです。ですから、年齢から来る膝の痛みのようなものもロイマチスと呼ばれることがしばしばあったので、昔はやたらと「リューマチ」が多かったわけです。
「私も昔はリューマチをやってね・・・」というようなことを仰る年配の方がよくいますが、この場合はまず間違いなく今で言う関節リウマチではありません。
白血球はワイセ、赤血球はローテ、心電図はエーカーゲーなどもドイツ語です。また処方箋に薬の飲み方を記載するときにも、まだドイツ語からきた略語を用いています。最も生き残っている単語は、たぶんカルテ。英語ならカード card です。
現代日本医学は完全にアメリカに占領されてしまったような状態ですから、会話の中で「うちのクランケ(患者)はシュメルツ(痛み)が・・・」みたいに使う医者に出会うと、妙にすげーっと思ってしまうのでした。