ノクターンというのは、クラシックの中で、主としてピアノの小品、日本語では夜想曲と呼ばれています。誰もが、曲の固有の名前と勘違いしそうなくらい有名なのはショパンが作曲した21曲。
バッハからモーツァルトを経て出来上がってきた鍵盤楽器曲を、ハーモニーを重視してより美しく仕上げた功績はベートーヴェンとショパンにあるんでしょうね。夜想曲というくらいですから、比較的ムードがたっぷりで静かな曲が多いわけです。
偉大なショパンに圧倒されてか、他の数ある作曲家でノクターンという名前を使った人は割と少ないように思います。リストの愛の夢第3番は有名ですが、もともとピアノのための夜想曲です。チャイコフスキーにもありますけど、圧倒的に多いのがフランス勢でしょう。
ジムノペディで有名なエリック・サティは5曲のノクターンを作曲していて、ショパンと違い比較的明るい。短調と長調の違いと言ってしまえばそれまでですが、夜の明るさに違いがあるかんじです。蝋燭と電気の差かもしれません。
フォーレの夜想曲もけっこう有名です。となると、もう一人ドビュッシーも忘れてはいけません。1曲だけピアノ用の夜想曲がありますが、むしろ有名なのは管弦楽の夜想曲。女性コーラスもはいって、とってもカラフルです。
さらにラヴェルには夜のガスパールという曲があり、ノクターンのようなイメージなのではないでしょうか。このあたりは、フランス人の芸術感が見え隠れするようなきがします。なんか、照れずに「ジュテーム」と言える、フランス人のロマンティックな雰囲気はこのあたりから培われているようなきがしますね。
日本人には、きっと作り出せないムードではないでしょうか。