大天使ミカエルは、キリスト教は言うに及ばずユダヤ教、イスラム教でも偉大な天使として崇められています。呼び方は、ミカエル、ミハイルですが、ここから英語のマイケル、イタリア語のミゲーレ、フランス語のミシェルなどの名前が派生しているのは周知の事。
キリスト教ではガブリエル、ラファエルと並んで三大天使と呼ばれています。ミカエルは、何かと守りの達人とされていて、神ではありませんが、かなり崇拝されているようです。
フランスの有名な世界遺産であるモン・サン・ミシェルは、大天使ミカエルの山という意味。ジャンヌ・ダルクには神の啓示を伝え、欧米では今日の祝日が学校の始まりとされました。
そういう特別な固定祝日ですから、バッハもこの日のためのカンタータをしっかり用意していました。それも4曲残っています。
BWV50 いまや、われらの神の救いと力と
(1723)
BWV130 主なる神よ、われらこぞりて汝を頌め (1724)
BWV19 かくて戦おこれり (1726)
BWV149 喜びと勝利の歌声は(1729)
BWV50は、なかなか堂々とした合唱曲で、なんと1曲のみ、時間にしてわずか3分半ていど。実際は、続く部分があったはずですが、失われたものと考えられています。神に遣わされたミカエルが、悪者の竜をやっつけたことを喜ぶ内容。
他のいずれも、弦楽器・管楽器が協奏曲的のような響きで活躍する祝典色の強い曲です。これも竜をやっつけるという、けっこう勇ましい話をもとにしているらしい。
BWV149の冒頭合唱は、有名な世俗カンタータであるBWV208、通称「狩のカンタータ」の最後の曲の転用。やはり、こちらの方が賑やかな感じがします。