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2022年12月16日金曜日

カンタータ年鑑、始まります

アドベントです。

それ、何? という反応が普通なので、知らなくても問題ない・・・大多数の日本人は。

これはキリスト教の話で、アドベント(advent)と は、イエス・キリストの誕生を静かに待ち望む期間のことで、日本語では待降節(たいこうせつ)と呼ばれます。教会暦は、アドベントが一年のスタート。


2022年は、11月27日の日曜日からすでにスタートしており、クリスマスまでの4週間の期間があてられています。

なんでアドベントか・・・数年前にJ.S.バッハの教会カンタータにはまって以来、毎年この時期になると、膨大な量があるカンタータを聞き始めたいと思うから。ただ、このブログに毎週感想を書いていた時はモチベーションが保てたのですが、その後はなかなか一年を通して聞くというのが難しい。

以前の記事を読み返してもらえばわかるとは思いますが、それだけでも相当根気がいることと思いますので、超短く説明すると、バッハ先生はライプツィヒにあるルター派プロテスタントの聖トーマス教会の音楽監督になって、毎週日曜日のミサのためのカンタータ(キリストの教えを歌に乗せて伝える物)をせっせっと作ったということ。

現在演奏可能な形で残されているものは約200曲あり、毎週の日曜日ごとに数曲ずつあります。もちろんその年に演奏するのは1曲だけですが、バッハ先生は作曲して譜面に起こし、メンバーを集めて練習、そして日曜日に実演という超多忙な毎日を送っていたわけです。

さてさて、今のところカンタータ全集を完成させているのは、ジョン・エリオット・ガーディナー、トン・コープマン、そして我らが日本の誇る鈴木雅明の三人。本当はあと二人いますが、そっちは現代楽器による現代的な演奏なのでちょっと興味が半減。

バッハが活躍したのは300年前ですから、今の楽器とは構造が異なり音の響きも違っていました。細かいことを言えば演奏法も違うし、そもそも狭い教会ではフル・メンバーのオーケストラが入れるはずもない。バッハ先生はお金が足りなくて、必要な楽団員を集めるのにも相当苦労していたようですしね。

より、バッハの時代を再現しようというのがOVPPと呼ばれているもので、One Voice Per Part の略。これはそれぞれの歌手や楽器担当が原則一人という意味。風通しの良い重苦しくない音楽がなかなかいい感じで、できればこの形式で聞きとおしたい。OVPPでカンターターを出したのが、シギヴァルド・クイケンです。

かなり期待して、出るたびにせっせとCDを買い込んでいたのですが、楽団運営の経営難のため企画は縮小しCD18枚、64曲で終了してしまいました。それでも、何とか1年分は収録したので(地味な選曲なんですが)、今年はクイケンを基本に、時間の余裕があれば他の人のも混ぜていこうかなと思います。今はボックスになって安くなりましたので是非、是非、是非。今ならクリスマスに間に合います。