もともとは、マタギ(猟師)が冷や飯を食べるために、すり潰して棒に巻き付けるように焼いたものが「たんぽ餅」で、これを切って鍋にして食べるのが「きりたんぽ鍋」です。秋田の郷土料理として定番の一つとして、全国的にも有名です。
秋田と言えば、比内地鶏。国の天然記念物に指定されている比内鶏を品種改良して、濃厚な味を保ちつつ繁殖率を高め商品化したもの。きりたんぽ鍋の味の決め手になります。
きりたんぽ鍋には、もちろんたんぽ餅を食べやすく切って入れるわけですが、他には比内地鶏を切り身にしたり、つみれ団子にして濃厚な鶏ガラの味わいを楽しむのが定石。
他に必ず入れたいものが、舞茸、牛蒡のささがき、大きめに切った長ネギなどですが、絶対にはずしたくないのがセリ。ちなみに、せっかくの比内地鶏の味わいを変えてしまうので、椎茸は入れてはいけないとされています。
比内地鶏は高価なので、普通にスーパーで売っている鶏モモ肉などでも代用はできますが、味わいは薄くなります。セリも高めの食材ですが、香りがよく合うので必須。舞茸の代わりにしめじならOKです。しらたき、豆腐はお好みで。
なお、セリは根っこの部分も食べれます。切って捨ててしまってはもったいない。最近は、根っこ付きのまま売っているものが出回るようになりました。
冬です。寒いです。鍋の季節です。じわーとしるのしみ出るたんぽ餅が体を温めてくれますので、鍋メニューのローテーション入りです。