2023年1月12日木曜日

Noemi Waysfeld / Eine Winterreise

ちょっと変わった・・・不思議な雰囲気の漂うシューベルトの「冬の旅」を見つけました。「冬の旅」は、歌曲王シューベルトの代表作で、24曲からなる連作歌集で、声域・男女を問わずドイツ歌曲を唄う歌手であればたいてい一度は長選するくらいのもの。

ノエミ・ワイスフェルドは1984年生まれの38歳のパリジェンヌ。いわゆるクラシック音楽の声楽家とは違い・・・うーん、何と言えばいいのか・・・とてもアンニュイな・・・暗いシャンソンとでも言えばいいのか・・・

「冬の旅」は、ドイツの詩人ヴィルヘルム・ミュラーの詩集を題材にしたもので、そもそも失恋した若者が街を捨ててさすらいの旅を続けていく暗く悲しい歌が続きます。確かに、このような内容は、エディット・ピアフが、場末の酒場で古びたピアノにもたれて、片手にワインのグラスを持ちながら歌ってもよさそう。

ノエミの歌唱は、クラシックのような腹の底から唄うわけではなく、かと言って囁くほどでもない、ポップスとも言えない独特の歌い方で、これはこれで「味」がある。

全24曲のうち、13曲をピックアップして、原曲と同じピアノ伴奏だけで歌います。伴奏もオリジナルと比べて、アレンジされ現代風の味付けがしてある。

もちろん「冬の旅」の決定版ではありませんが、クラシックが苦手な人でも入りやすいと思いますので、まず聞いてみることで興味を持ってもらうはいいのかもしれません。

ストリーミング配信がメインのようで、少なくとも日本のAmazonではCD形式は購入できないようです。これも、若者をターゲットにしているということでしょうかね。