夏季臨時休診のお知らせ

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2023年1月28日土曜日

Yuja Wang / Berlin Recital (2018)

クラシック音楽界の三大女流ピアニスト(と、自分が勝手に決めている)の中で、最も王道を進みトップに君臨しているのがユジャ・ワンだと思います。

北京で生まれたユジャは、15歳以後に世界中のコンテストで入賞し注目され、2009年、名門ドイツ・グラモフォンから満を持してデヴュー。以後、クラシック・ピアノの普遍的な名曲を中心に活躍しています。

いかにも東洋人と言える風貌で、グラマラスとは言えない(失礼!!)小柄な体格ですが、ヘア・スタイルや衣装はしばしば議論を招くほど先鋭的。まさに今に生きる若者という感じで、それらも含めて話題性も十分にあります。

体格的には西洋人より不利なはずなのですが、驚くべきべき指の運び(運指)と力強さ(打鍵)によって、まったくそのハンディを感じさせません。父親が打楽器奏者だったので、そこからの影響がかなりあるのだろうと想像します。

2009年のクラウディオ・アバド指揮でルツェルン音楽祭のライブ映像では、しばしば取り上げているプロコフィエフの協奏曲第3番を楽しめますが、この難曲を弾き切る姿は感動物です。

2018年のクラシックの聖地、ベルリン・フィルの小ホールで行われたリサイタルの模様は、通常のCDとして発売されていますが、そのほとんどがドイツ・グラモフォンのYouTubeチャンネルで動画として公開されているのも驚きです。

おそらく得意な曲で構成され、日頃から弾き馴染んでいるものを気楽に演奏するのではなく、むしろ何度も弾いてきた集大成を聞かせるような緊張感がみなぎっています。

まずは、力を入れている作曲家の一人であろうラフマニノフの小品4曲、スクリャービンのソナタ(No.10)、圧巻のリゲティ練習曲3曲、そして白眉となるプロコフィエフのソナタ第8番という構成。ユジャの超絶テクニックだけではなく、深い洞察力に基づくリリシズムが溢れるステージになっています。

もっと聞きたいという方は、アンコールで演奏された4曲がストリーミングのみで配信されています。ドイツ・グラモフォンはCDジャケットも従来からの王道デザインにしているところからも、レーベルを代表する正統派ピアニストと位置付けているのが伝わってきます。