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2023年5月17日水曜日

SP The Motion Picture 革命編 (2011)

さて、いよいよ最終話です。Episode IV 「革命編」です。

革命当日の朝。議員らを警備するたくさんのSPが国会議事堂へ集まってきます。もともとそのメンバーから外れていた井上(岡田准一)、石田(神尾佑)、山本(松尾諭)、笹本(真木よう子)の第4係のメンバーも、尾形(堤真一)の直前の警護計画変更により国会に集合しますが、国会が始まると尾形の指示により誰もいない大部屋の調査に回されます。

見学者にまぎれたテロリスト、尾形に賛同したSPが議場の外を囲み緊張が高まる中、テロリストの別動隊は議事堂と地下通路でつながる議員宿舎を制圧し、爆薬を仕掛けたうえで武器を議事堂に運び込みました。

麻田首相(山本圭)に対して不信任案が提出されその主旨が説明される中、ついに尾形を先頭にテロリストは議場に入っていきました。騒然とする議会を一発の銃弾で黙らせた尾形は、「政治家がいかに腐敗し、日本国民を裏切っているか証明する。テレビはすべてを中継するように」と要求し、本気であることを示すために議員宿舎を爆破します。

異変に気がついた井上らはテレビで状況を把握しますが、何故尾形が急遽ここに自分たちを集めたのかという疑問に対し、井上は「我々によって止めてほしい」と思っていると話します。踏み込んできた尾形の息がかかった新第4係のメンバーを制圧した井上らは、各階、各廊下を見張るテロリストを一人一人制圧し、ついに議場入口に集まりました。

閣僚一人一人の悪事を暴いた尾形の最期の標的は首相の麻田でした。尾形は、麻田の不正の身代わりとして亡くなった父親の件を問いただしますが、麻田はあくまで否定します。銃口を向けて尾形が首相に詰め寄った時、幹事長の伊達(香川照之)が立ち上がり、尾形ら行為を否定・糾弾するのです。

伊達は尾形の兄で、今回の「革命」も長い時間をかけて積み上げてきた彼らの「復讐」だったはず。土壇場で兄に裏切られた尾形は、「お前が目指していたのは偽物たちの王様か」とつぶやき、伊達に向けて銃を構え直します。しかし、両脇にいたテロリストは「銃を捨てろ。目指したものが違うようだな」と言って尾形に銃を向けるのでした。

その瞬間、井上らは議場になだれ込み、混乱の中、次々にテロリストを制圧しますが、議場の裏へと逃げる麻田首相を追って尾形は姿を消します。井上も後に続き、麻田を追い詰めた尾形と井上はついに直接対峙するのでした。

本編のほとんどを占める、絶対にロケが許可されない国会議事堂内のシーンが素晴らしい。本物を精巧に真似た幅1/2、高さ1/2のセットを作り、そこへCGをかぶせてまさに衆議院議会場を再現しているところは見事です。似たような複数の施設でのロケを組み合わせ、まさに議事堂内の廊下、部屋なども含めて違和感なくシームレスにつなげた撮影・編集もうまい。

そして、テレビ版から通して全体のアクションを自ら統括した岡田准一らのアクションもすごい。もちろん、壊すための小道具類も周到に準備されているわけですが、ギリギリを狙った俳優らの動きは、CGなどでは表しようがないリアルさを画面に刻みました。

原案・脚本の金城と、出演した岡田、堤は、2003年の映画「フライ、ダディ、フライ」以来のタッグ。この映画では堤のダメな父親を岡田が鍛えて、娘との絆を取り戻すという内容でしたが、岡田の身体能力の高さはその片鱗がすでに見えていました。

エピローグ的な場面では、いかにも事件は真の終わりを迎えていないことを匂わせており、簡単には解決されない巨悪の大きさを想像すると、さまざまな憶測が余韻に残ります。場合によっては、続編もあるのかもしれません。

ちなみに、綾野剛、ダイアモンドユカイ、柄本佑などが本筋と関わりないところでカメオ出演しているので、注意深く見ていてください。