2023年5月23日火曜日

いちど死んでみた (2020)

何と、広瀬すずのイメージをひっくり返して、日本アカデミー賞主演女優賞となったはちゃめちゃコメディ映画です。伏線がどうとか、リアリティがどうとか、細かいことは言ってはいけません。


監督は浜崎慎治という人。CM中心に仕事をした来た人で、auの「三太郎シリーズ」などを担当していて、映画はこれが最初。

化学者であり製薬会社社長の父親、野畑計(堤真一)は、研究に没頭するあまり妻の死に目に会えず、娘の七瀬(広瀬すず)はそんな父親にし反発し、仲間とヘヴィメタル・バンドを結成し「父親なんて死ね死ね」を叫びまくる毎日。

計の会社では若返りの「ロミオ」と呼ぶ薬と、2日間だけ死ねる「ジュリエット」を開発していました。「ロミオ」を狙うライバル会社からスパイとして送り込まれた渡部(小澤征悦)は、計を丸め込み「ジュリエット」を飲ませてしまいます。

渡部は、生き帰る前にさっさと火葬にしてしまおうとやっきになる。日頃から「死ね」と叫んでいた七瀬もさすがにびっくりしますが、計と渡部のやり取りを知った存在感の薄い計の秘書、松岡(吉沢亮)から事情を教えられます。

七瀬と松岡は、火葬の時間を遅らせ、渡部の悪事を何とか留まらせようと四苦八苦するのでした。計は無事に生き返ることができるでしょうか。

亡くなった計の妻は木村多江、三途の川の案内人がリリー・フランキー、「ジュリエット」を開発した研究員は松田翔太。特に松田翔太は藤井という役名で、計から「じいさん」と呼ばれてしまうのが、最後の最期で効いてくる仕掛けになっているのはうける。

他にもチョイ役ででんでん、原日出子、城田優、加藤諒、佐藤健、池田エライザ、古田新太、大友康平、竹中直人、妻夫木聡、西野七瀬、志尊淳、さらには野口聡一さんまで登場するので、なかなか画面から目を離せません。

もう、どうのこうの言ってもしょうがない映画。ひたすら、くだらないシチュエーションに疑問を挟まず楽しむ映画。監督もCMという短い時間で盛り上げることを得意とする人ですから、1時間半の間ほとんどだれる感じはありません。出演者たちも、おそらく出番を楽しんだことでしょう。