2023年7月6日木曜日

イヌゴエ (2006)

ペットを飼ってますか? それも犬ですが? 犬好きですか?


だったら、この映画は大好きになれます。監督は横井健司。まぁ、言ってみれば、ハートウォーミング・コメディ。とにかく見てみましょう。

国家試験資格である臭気判定士の芹澤直喜(山本浩司)は、臭いに敏感すぎて恋人にも愛想をつかされてしまいます。企業の芳香剤の新製品「日本海」の判定では、その悪習で気を失ってしまいます。

そんな折、父親が旅行に出るというので、拾ったフレンチ・ブルドッグを勝手に直喜の部屋に置いて行ってしまいます。ところが、何と直喜に犬の心の声が聞こえてしまう。しかも、おっさんの声(遠藤憲一)で関西弁。直喜の言うことは伝わらないようですが、しだいに犬の声に耳を澄ますようになりました。

直喜はキャバリアを連れた音無ちぬ(宮下ともみ)と知り合いますが、ちぬには何か悩みがあるらしい。ところが、急に犬の声が聞こえなくなります。犬の声が聞こえたのは、日本海の匂いが関係あると思った直喜は、ちぬの悩みを知るために日本海に出かけていきます。

すると、ふたたび犬の声が聞こえるようになり、ちぬが離婚してこどもと合えないストレスから飼い犬を虐待していたことに気がつきます。しだいに何かと自信を取り戻してきた直喜でしたが、ホントの飼い主(遠藤憲一)が見つかってしまいます。

はっきり言って、低予算のB級映画・・・なんでしょうけど、だからこそ丁寧な作りで、無駄なはったりもないし、実に気持ちが和らぐ映画です。

犬の声は聞こえますが、あくまでも犬が直接口をパクパクさせて喋るわけではありません。犬の気持ちが伝わる、というところですが、そのくらいにしておくのがファンタジーとしてちょうど良い。

コメディとしても、やり過ぎないのが好感が持てるところです。ほのぼの感の枠内でとどまっているので、安心です。まぁ、名作とまではいかないにしても、少なくとも良作です。このアイデアを流用して、映画は第2弾も作られました。さらに、綾野剛主演でテレビ・ドラマも作られていたりもします。