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2024年3月14日木曜日

PHEVへの道 53 電気自動車の今


PHEVを買うことにしてから数カ月間、ずいぶんといろいろと関連する勉強をしてきたんですが、かえって今後の自動車の未来像がわからなくなりました。電気自動車(BEV)を使うとしたら、これまでのガソリン車、ハイブリッド車(HEV、PHEV)と比べて何が新しいのでしょうか。

車に乗って移動するという本質的な目的を考えると、どれを使っても結果は同じです。現状ではBEVは価格が高くなります。補助金があると言っても、その差を吸収できるほどではありませんし、BEV普及推進を積極的に進めてきた外国の多くが、補助金政策を次々に終了しています。

電子化することで、自動運転が格段と進歩することが期待されましたが、車の「家電化」はあっても完全自動というわけにはいかなさそうです。そもそも完全自動運転が導入されれば、半自動とか手動運転は排除されるでしょうから、ドライバーという存在はいなくなり、すべての車がショーファードリブン化(運転手付きで後席に乗るための車)してしまいます。

エンジンに対して、モーター走行の最大の優位点は加速性です。でもこれは、自分で運転している時の「楽しみ」の一つであって、自動運転の中ではそれほど重要視される部分ではありません。むしろ、勝手にそれぞれの車が加速していたら、おそらく自動化の邪魔にしかならないでしょう。

BEVが環境に良いというのは、確かに走行中はCO2排出が無いので正しい。しかし、生産時にはより多くのCO2排出があり、現時点では走るためのエネルギーである電気そのものも作るためにはCO2をたくさん排出している。結局、現時点ではエコロジーに対しては世界中がHEVが現実的な正解と考えだしています。

つまり自動車というものがBEVに置き換わっていくのは、「新しい何か」を期待して車を選ぶ消費者側の欲求ではなく、地球規模で悪化している温暖化のための対策の一環として必要だということを理解する必要があります。そして、生産現場や発電方法の変革無しには進むはずが無い。

鉄腕アトムの未来はまだまだ先の話で、想像していたより未来は遠い存在です。しかし、遅くとも2050年までには、世界中の多くの国でカーボン・ニュートラルを達成しようとしているわけですから、ちょっとづつステップを進めていくしかありません。BEVも否定することはありませんが、おそらく過渡期の産物の一つにすぎません。

自分が最終解を見ることはないかもしれませんが、少なくとも好き勝手をして未来につけを廻した「昔の人」にはなりたくないという思いを強くしました。