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2024年9月26日木曜日

ケイゾク (1999)

ぶっちゃけ的な話ですが、映画だけにしておけばよかったと気がついたときは手遅れ。映画だと2時間程度なんで、ガンバレば日曜日に4本とか見貯めしたりできる。ところが、ドラマはそうはいかない。

ドラマは基本1話1時間で、地上波は9~12話で構成され、配信系だと5話くらいで終わるのもあります。とは言え、とにかく映画の数倍の時間がかかるので、日曜日全部使ってやっと一つのドラマを見終えるのが精一杯。

そしてソースを探すのも大変。過去ドラマを配信するTverとか、Amazon Prime Video、Netflixなどを総動員しても、どうしても見たいものがなかったりします。そうするとまずはネットレンタルのGEOとかを探す。それでも無いと中古のDVDとかをさがすんですが、ドラマは組枚数が多くて、しかもあまり出回らないのか、中古でも値段が下がりにくいのでわざわざ買うのはためらいます。

いっそのこと、初回と最終回だけ見て良しとしようという作戦も考えたのですが、最近のドラマは一話完結と言いながら、もう一つ大きな謎が根底に作ってあるパターンが多い。最終回だけ見ても、どういうことなのかよくわからんということになってしまうのが困りもの。

最近はクライム・サスペンスを漁っているわけですが、特に警察に限定して見ています。警察以外も山ほどあるわけですが、基本的に犯人を逮捕できる公的権利を有するのは警察だけですし、それ以外が捜査して犯人を追い詰めるのは、下手すれば非合法ありの話でどうにでも話が作れしまう。何でもOKなほど、時間的・経済的に余裕があるわけではないので、目下のところそういうルールを自分に課しているというところ(「dele」だけは内容が素晴らしいので例外的に取り扱いました)。

・・・と、まぁ愚痴っぽいことを長々と書き連ねましたけど、今日のお題は「ケイゾク」です。脚本の西荻弓絵、監督の堤幸彦、製作の植田博樹による「SPEC」シリーズの原点で、通称ケイゾクと呼ばれる警視庁捜査一課弐係が舞台。弐係は架空の部署で、迷宮入りした事件の捜査を継続して行うというもの。

登場するのはキャリアの柴田純警部補(中谷美紀)、叩き上げの真山徹(渡部篤郎)、係長の野々村光太郎(竜雷太)ということで、後の「SPEC」に持ち越される雰囲気が色濃く感じられます。ただし、主役の柴田のキャラは、当麻紗彩とはだいぶ異なります。柴田はおっとり、マイペースですが、天才的な頭脳の持ち主で、弐係配属後、多くの迷宮入り事件を解決してしまいます。

真山も瀬文焚流と異なり、日和見的に行動し肉体派ではありません。両者に登場する野々村は当然同じキャラで、昼行燈のようなのらりくらりとした感じで柿ピーを食べていますが、愛人の雅といちゃつくというのも同じ。

毎回、オカルト風味の事件が舞い込んできて、弐係が解決していくのですが、真山の妹が性犯罪を受けた事件の首謀者、朝倉にまつわる謎が全体を貫いています。連続ドラマとしては11話ですが、同じ年のクリスマスに特別編として2時間枠のスペシャル、そして翌年には劇場版も公開されています。

このドラマが画期的なのは、世界観の作り込みの深さだと思います。それまでの刑事物では、たいてい一人の魅力的な刑事の活躍に頼っていましたが、その魅力は演じる俳優の人気による部分が多かったように思います。このドラマでは、表に出ない部分まで登場人物に細かい設定が用意されていて、一つ一つのセリフや行動の伏線となっています。

またストーリー全体の雰囲気も独特で、従来の事件の解決だけでなく、その雰囲気も自然とドラマの進行に色を与えているところが興味深い。この流れを受け継いで、さらにパワーアップしたのが「SPEC」なので、本当は「SPEC」の前に見ておくべき作品ということになります。