2024年9月29日日曜日

刑事・鳴沢了〜東京テロ、史上最悪の24時間 (2010)

「刑事・鳴沢了」は、堂場瞬一による小説で、シリーズ化されています。映像化は2005年に渡瀬恒彦主演のテレビ東京版、2010、2011年のフジテレビ版がありますが、いずれも2時間枠のスペシャル・ドラマ。基本的に一人の刑事が主人公で、原作小説がしょっちゅう舞台を変えていることが、連続ドラマにしづらいのかもしれません。

「東京テロ・・・」は、「讐雨」を原作とし、比較的原作に忠実にドラマ化されています。急に降り出しすぐに止む雨のことをさす「驟雨」と復讐をかけているようです。

阿佐ヶ谷署に勤務する鳴沢了(坂口憲二)は、警視庁の萩尾聡子(矢田亜希子)と組んで、連続婦女暴行殺人事件の容疑者、間島(鈴木一真)を逮捕しましたが、その現場で走り去る黒い高級車とそれを見つめる不審な人物(竹中直人)に気がつきます。

鳴沢と萩尾は裏付け捜査をして車で署に戻る途中、道に置かれた不審物があり通り過ぎる瞬間に不審物が爆発します。署には高橋と名乗る人物から電話があり、「24時間以内に間島を釈放せよ。しないと都内を次々と爆破する」と脅迫するのでした。

高橋が指定する新大久保の焼肉店を捜索すると、再び爆発が起こり仲間の江戸刑事(ゴリ・ガレッジセール)が怪我をします。さらに続けて、中野のショッピング・モールに爆弾を仕掛けたと連絡してきたため、鳴沢は急行しなんとか人的被害を未然に防ぎました。管理官の石井敦夫(遠藤憲一)は、警備局長の久留米(寺島進)に法務省と間島の釈放について折衝するように依頼します。

そして鳴沢の携帯に直接電話があり、高橋は次は新宿のシネコンで午後6時と伝えてきます。鳴沢の携帯の番号や、午後6時は間島の処遇を決定するタイムリミットであることを知っていることから、警察内部に犯人あるいは内通者がいることが疑われました。

間島の釈放が決定し2台の車に分かれて指定場所に向かうことになりますが、石井は内通者の可能性から、捜査員に黙って3台目を用意し鳴沢だけを連れて間島を護送するのでした。

いかにも「×曜サスペンス」風。ただし、一発勝負のため、ストーリーそのものは面白いのですが、登場人物、特に主役の鳴沢のキャラクターの描きこみは皆無と言っていい。見ていると、どんな怪我をしても元気に頑張れるスーパーマンでしかなく、萩尾についてもあまり存在感がありません。

最後の局面で判明する犯人(たち)の動機についても、もっと深く描かれれば納得できるのかもしれませんが、なんかモヤモヤが残ります。他に見るものが無ければ、これでもいいかという感じ。

そんなわけで、DVD等は発売されていないようですが、時々時間埋め合わせに再放送されていますので、チャンスがあればどうそ・・・というところでしょうか。