2024年9月16日月曜日

メゾン・ド・ポリス (2019)

風変わりな警察物・・・というか、元警察官のおじ様たちに巻き込まれあたふたする新人女性刑事の活躍を描くTBSの連続ドラマ。原作は「警視庁アウトサイダー」の加藤実秋の小説。「ストロベリーナイト」でタッグを組んだ黒岩勉が脚本、佐藤佑市が中心となって演出にあたりました。

柳町北署の新人刑事牧野ひより(高畑充希)は、5年前と同じ手口の殺人事件の捜査のため、以前の捜査を担当していた夏目惣一郎(西島秀俊)に話を聞くため、現在彼が住んでいる元警視庁副総監、伊達有嗣(近藤正臣)の家を訪ねます。

そこは、元柳町北署の捜査一課で辣腕を振るった迫田保(角野卓造)、元警務課員の高平厚彦(日小日向文世)、そして元科学捜査研究主の藤堂雅人(野口五郎)らが一緒に住むシェアハウスとなっていて、彼らはその場所をメゾン・ド・ポリスと呼んでいました。5人の警察OBは、何かと相談事を持ち込むひよりをひよこと呼んで、刑事のイロハを教え込んでいくのでした。

建築会社に働いていたひよりの父は、20年前に現場で転落し不審死を遂げていました。伊達や藤堂は、ひよりの父の死について何かを隠していました。3年前に警察を辞めた夏目も、当時同じ会社であった不審死に何か関係があるらしい。

少しずつ事件の真相に近づいていく彼らでしたが、警察内部の内通者の存在と会社と警察の癒着という巨悪の前に、次第に危険が迫っていたのです。

全10話で、最初の7話までが一話完結で、事件を解決してひよりが次第に刑事らしくなっていく様子を、時にコミカルに、そして時にシリアスに描いています。そして、最後の3話が少しずつ小出しにしていた巨悪との本格的な対決に集中して、なかなか見応えのある展開になっています。

メゾン・ド・ポリスの面々は、今では捜査権も逮捕権もない一般市民ですが、そこは現職刑事がいることで何とか昔取った杵柄で活躍できるということで辻褄は合わせてある感じ。細かい突っ込見所はありますが、そこはあまりリアリティを求めすぎないことが、こういうストーリーでは楽しむコツみたいなものです。