2026年9月30日水曜日

Rolling Thunder Revue, the 1976 Live Recordings (2026)


さて、6月から聴き込んできたボブ・ディランは、昨日の「Bootleg Series」のまとめで、公式に発売されているものについては、おそらくほぼすべての音源を整理できました。よくもまあ頑張ったものだと、自分でも感心して「ディラン・マラソン」を終了するつもりだったのですが、ここに来てビッグ・ニュースが舞い込んできました。

ディランを制覇した気になっていたのを諫めるつもりなのか、レコード会社は強力な爆弾を投下して来たんです。このディランを追い続けたというのも、自分が最も力を入れていた、ある意味このエピソードを紹介したいがために始めたと言っても過言でないのが「Rolling Thunder Revue」ツアーです。

1975年の11月~12月の第1期と、翌1976年4月~5月の第2期に分かれているわけですが、詳細は過去の記事を参照していただくことにして、ここでは繰り返しません。このツアーがアメリカ音楽史上、かなり重要な位置を占めていることは衆目の一致するところです。公式音源がまったくなかった第1期については、2002年に「Bootleg Series Vol.5」でいくつかの公演からベスト・トラックとされる物が公開され、さらに2019年に14枚組CDボックスでほぼ全容が発売されました。

一方、第2期については、リアルタイムに発売されたライブ盤「Hard Rain」の9曲のみしか聴くことができなかったのです。ステージでの様々な問題や人間関係のもつれもあって内部的にはかなり荒れたツアーだったと言われていますが、いくつかの海賊盤などを聴く限り、その爆発的なエネルギーはディラン史上トップクラスでした。

自分も第2期については、つい2か月ほど前には、公式音源は登場しないとあきらめていたわけですが、なんと11月6日にこの第2期のライブの集大成ボックスが発売されることが明らかになりました。それも、録音されていたすべてのステージ、全27公演分がCD39枚組に含まれると言うから驚きしかありません。

ただし、第2期のソルトレイクシティでの最終公演だけは含まれません。これはその前で、本来はツアーは終了する予定で、録音機材などは片付けられてしまったのです。興行収入的に急遽追加の公演をすることになったため、機材調達が間に合わなかったと言われています。海賊盤としてもまったく音源は見つかっていません。

内容的には、アルバム「Hard Rain」に準ずるものですから、通常の音楽ファンには目新しいことはないかもしれません。ただ、ロックしているディランの熱量は過去・未来でも一番で、その凄まじいパワーは凄いとしか言いようがない。好きなアーティストのライブなら、何度でも行きたくなるのと同じで、同じようなセットリストでも十分に楽しむことができるはずです。

1976年の音源を2026年に発売するというのは、勘の良い方は気がつくと思いますが、実は著作権の問題が大きく絡んでいます。アメリカの著作権の仕組みでは、75年間または著作者死後50年間は著作物は保護されますが、国際的な取り決めでは最低50年間とされています。つまり今年のうちに出しておかないと、これらの音源を著作権切れ扱いとする国があるかもしれないということになります。

今回のボックスの発売が意味することは、1976年以後のツアーの音源も50年経過する前に発売される可能性があるということです。さしあたって、1978年の日本を含む世界ツアーが次の候補になるかもしれません。他にもほとんど音源が登場していない注目すべきライブはたくさんあるので、ぎりぎり50年待たずともどんどん発売してもらいたいものです。

今後も、また新しい話題があれば、その都度単発のエントリーで紹介し続けたいと思います。