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2017年10月23日月曜日

古事記(2) 以此吾身成餘處、刺塞汝身不成合處而


これは、やばい!!

何がやばいって・・・これって、かなり直接的な表現。

う~ん。古事記って・・・日本初のエロ本かと・・・

つまり、淤能碁呂島に降り立ったすべての日本人の祖先にあたるイザナキ・イザナミの二人の神は高天原に届く天御柱(あめのみはしら)を立てて、その周囲を回って結婚の儀式をするんですね。

その前のやり取りが・・・

イザナミ曰く、「私には足りないところがある」
イザナキ曰く、「俺には余ったところがある。足りないところを余ったもので塞いで国を作りましょう」という話になったわけ。

二人は天御柱の周りを別々の方から回って、出会ったところでイザナミから声をかけます。

イザナキ曰く、「あら、イケメンだわ」
イザナキ曰く、「おお、いい女だ」

ということで、めでたく日本初の初夜を迎えたんですが、そこで生まれたこどもは二人続けて実態のない失敗作。船に乗せて海に流し去ります。これって、日本初の捨て子事件。

二人は高天原に相談に行くと、天つ神から「女から声をかけたのがだめ」と助言されたので、もう一度天御柱の周りをまわって結婚の儀のやり直し。

今度は、
イザナキ曰く、「やあ、いい女だね」
イザナキ曰く、「あら、イケメンね」と声をかける順番を変更。

すると、ここからは順調にたくさんの島を産んでいき、無事に日本の国土が神として誕生しました。さらにいろいろな自然現象に関係した神、実際の生活に必要な神を次々に産みました。

最後に火の神、ヒノヤギハヤオ(ヒノカグツチ)を産んだ時にイザナミは陰部熱傷となり、それが元で亡くなるという、何ともいたたまれない話。

しかも、亡くなる前に苦しむイザナミの糞、尿、吐物すらも神になるという・・・

さらに、妻を亡くして怒り狂ったイザナキは、わが子であるヒノカグツチを切り殺すという日本初の殺人事件、しかも子殺しという事態を招きます。ちなみに飛び散ったヒノカグツチの血液からもたくさんの神が生まれるのです。

とにかく、この一連の話からは「男尊女卑」の考え方が根底にあることは明らかで、今どきだったらどっちから声をかけても問題はなさそうですけどね。

それと、何気に気になるのが、捨てられ忘れ去れた最初のこども。長子である水蛭子(ひるこ)、第2子である淡島(あわしま)はどうなったんだろう。

何らかの奇形児だったのか、あるいは医学的には胞状奇胎というのがあるので、そんなところなのかもしれませんが、事実かどうかもわからない話ですから追及しようがない。

水蛭子は、間の蛭を除くと水子となりますよね。なんか関係あるのかなぁ。水を除くと蛭子で、これだけでも「ひるこ」と読めますが、「えびす」とも読める。

流された水蛭子が漂着したのが神戸とする話があって、和田神社では神として祀っています。さらに、西宮神社では、七福神の一人、恵比須様の起源としています。

和歌山をはじめ全国にある淡嶋(淡島、あるいは粟島)神社は、第2子の淡島との関連があるのかもしれません。

殺されちゃった火加具土も別府では温泉の神として火男火売神社に祀られ、全国の秋葉神社、愛宕神社、野々宮神社でも信仰されています。