どうしようもないクズな人生を送る伊藤開司(藤原竜也)は、保証人になった友人の借金を肩代わりを、遠藤凛子(天海祐希)の消費者金融から迫られる。遠藤は莫大の資産を持つ帝愛グループのメンバーで、借金を払えないなら帝愛のカジノ・クルーズ船に乗って金を作ってくるようにカイジに言います。
乗船すると大勢の「クズ」が集まり、帝愛の幹部、利根川(香川照之)の号令と共に「限定ジャンケン・ゲーム」が始まります。これは最終的には、帝愛の地下帝国を建設するための人員確保のためのイベントであり、ほとんどのクズは敗北して強制的に地下に送りこのれるのでした。
カイジも知り合った石田(光石研)と共に、地下で強制労働をさせられることになってしまいます。苦しい毎日が続きますが、ついに「ブレイブメンロード」が開催されることになる。これをクリアすれば解放されるので、カイジ、石田、そして佐原(松山ケンイチ)らが挑戦することになりました。
地上に上がった一行は、帝愛の超高層双子ビルの最上階をつなぐ幅20cm程度の鉄骨を渡り切ることが試練と知りしり込みしてしまいます。しかし、自由を手に入れるため、全員が渡り始めますが次々と落下し、石田も後をカイジに託して消えていくのでした。残ったのはカイジと佐原だけになり、二人は何とか渡り切りますが、ドアを開けたとたんに気圧差のせいで佐原は吹き飛ばれてしまうのでした。
室内に入ったカイジは、ついに利根川と一対一の勝負、Eカードを行うのです。利根川には皇帝カード1枚と市民カード4枚、カイジの手には市民カード4枚と奴隷カード1枚が渡される。皇帝は市民に強くも市民は奴隷に強い。しかし、奴隷は皇帝を倒すことができるのです。究極の心理戦が始まりました。
ブレイク前の鈴木亮平が帝愛のざこ、吉高由里子が石田の娘として登場するのもちょっと楽しいところですが、クズがクズなりに頭脳戦に挑むところがこの映画の最大の魅力。ただ、ゲームはなかば出来レースなので、結局クズはクズで終わるというのがこの話の本質のようです。
正直に言えば、中身的にはあまり濃いものはありません。能天気なクズなのに、妙に熱い男でいろいろなものに対するチャレンジ精神が旺盛という、だったら普通にクズにならないだろうという気もします。
とは言っても、それなりに見せ場を作って最後まで飽きずに見れるのは、原作の面白さと監督の技量ということでしょうか。実際、マンガならどうにでも空想したゲームが可能ですが、それを実写化するとなるとなかなか大変なことはあるだろうと想像します。