2023年10月8日日曜日

地獄の花園 (2021)

脚本はバカリズム、監督は多くの著名ミュージック・ビデオを手掛けてきた関和亮。一見普通のOLたち派閥争いを大々的に描くコメディで、女優陣のはちゃめちゃぶりを楽しむための映画。

平凡なOLを目指す田中直子(永野芽郁)は実際平凡な生活を送っていましたが、彼女の働く三富士株式会社の中には、安藤朱里(菜々緒)、神田悦子(大島美幸)、佐竹紫織(川栄李奈)がそれぞれ率いるヤンキー集団が覇権を争い抗争を繰り返していました。

そこへ入社してきたカリスマ・ヤンキーの北条蘭(広瀬アリス)は、あっという間に各派閥を制圧。自然と三富士のトップOLの地位に就き、蘭の強さは次第にほかの会社にも知られるようになるのです。しかし蘭は仕事についてはイマイチで、面倒を見てくれる直子とは普通に仲良しになっていきます。

地上最強のOLであるトムスン総務部の鬼丸麗奈(小池栄子)の配下には、赤城麗子(遠藤憲一)率いるトムスン三銃士と呼ばれる集団がいて、直子を拉致して蘭を呼び出し叩き潰そうとしました。さすがの蘭も圧倒的多勢にはかなわず気を失ってしまいます。しかたがなく直子はついに本性を露わにし、全員を倒してしまうのでした。

蘭は気が付くと自分が全員をやっつけたことになっていて、以来会社に姿を見せなくなりました。やっと戦い甲斐がある相手が見つかった鬼丸は、三富士の社屋に出向き、直子との壮絶な一騎打ちを繰り広げますが、直子に倒されてしまいます。

蘭は最強OLの頂点に立つことだけが目標であったため、山奥に住む日本最初のOLである伝説と化した七瀬小夜(室井滋)のもとに入門し、自分に欠けていたものを知り修行に励みます。そしてついに極意を会得した蘭は、会社に戻ると直子に対決を申し出るのでした。

・・・と、まぁ、めちゃくちゃの話。ごく当たり障りのないOLと喧嘩命のヤンキーとのギャップを会社という器の中に同居させたらどうなるのかという、ほぼ現実味のないストーリーですが、深く考えずその混沌としたぐちゃぐちゃな感じを楽しめばよいという映画。

女優陣(+男優)はド派手なメイクで、普段メディアで見る姿との違いが楽しいわけですが、そこが別人になりきって実に楽しそう。永野芽郁と広瀬アリスはメイクは普通ですが、やたらと喧嘩が強いこととの落差がすさまじい。アクションもそれなりに作られていて、まぁまぁすごいことが伝わるようになっています。