ついに「アイツが帰ってくる」のキャッチフレーズで、9年ぶりのシリーズ第3弾です。監督は今回も佐藤東弥、主演も藤原竜也は変わりません。今回は原作者福本伸行が脚本に参加、映画だけのオリジナル・ストーリーとなっています。
今回は伊藤開示(藤原竜也)は、地上からスタート。とは言っても、東京オリンピック後、極度の不景気により、日本中が疲弊し経済的な困窮者ばかりの日本という状況で、カイジも細々と仕事をするのが精一杯の毎日で、相変わらずクズ生活を送っています。
その頃、日本政府は次官の高倉浩介(福士蒼汰)の主導で、銀行を封鎖して国民の預金をすべて国の借金の返済に充てようとしていて。帝愛グループの黒崎(吉田鋼太郎)も一枚絡んでいました。
「バベルの塔」ゲームという、8mの高さの立てられた棒の先端にある情報をゲットしたカイジは、同じくゲームを勝ち抜いた桐野加奈子(関水渚)と共に、実業家の東郷(伊武雅刀)から政府の預金凍結を防ぐための資金の調達を託されます。必要な額は一千億円で、統合が出せるのは五百億。カイジたちは、帝愛が地下に建設した賭博場で、残りの五百億円を手に入れることになります。
帝愛ランドで行われる「最後の審判」ゲームが始まります。巨大な秤に乗るのは、黒崎と東郷でした。用意した金塊の重さが勝負を決めるのですが、黒崎は東郷が用意した作戦をことごとく潰し有利にゲームを進めます。これは東郷の秘書の廣瀬湊(新田真剣佑)が商法を流していたためで、彼は東郷が捨てた愛人の息子だったのです。
カイジは事前に展開を予想し、いろいろと仲間を増やし命を懸けたバンジーで不足分を調達します。しかし、高倉はゲームの結果を待たずに預金封鎖を強行するのです。が、これも東郷の予想通りで、真の目的は凍結後に発行される新札のすり替えでした。ついにカイジは高倉とのジャンケン直接対決に挑むのでした。
シリーズ最終作とされる本作は、敵は帝愛というのは見かけだけで、本当の敵は日本政府という、なかなか大掛かりなストーリー。もっとも、バカげていて嘘っぽいを通り越して、もうほとんどカイジの頭脳ゲームを楽しむための舞台の一つにすぎません。そして、当然クズはクズで終わるのも潔い。
シリーズでかつて活躍した遠藤凛子(天海祐希)や坂崎孝太郎(生瀬勝久)、地下建設現場班長(松尾スズキ)も再登場するのもお楽しみの一つで、高倉の部下に山崎育三郎も登場します。徹底的に勝者=金持ち、敗者=クズの境遇の中で、敗者が勝者に一泡吹かせる展開が売りのシリーズですが、さすがに食傷気味になってきたので、これで終わりは妥当なところという感じです。