前作で何とか地上に戻ったはずのカイジ(藤原竜也)でしたが、やはりクズはクズ。いつの間にか借金を抱えこんで、またもや帝愛地下帝国建設現場に落ちていました。さいころ賭博のチンチロリンでうまいこと皆の金を集めたカイジは、2週間の特別休暇の権利を買い109万円のボーナスを得て地上に出てきました。
カイジの目的は、仲間が出した金と彼らの解放に必要な2億円を稼ぐこと。ドヤ街をうろついていると、カイジに敗れて地下に落ちたはずの利根川(香川照之)と出くわし、帝愛のカジノの招待状を手に入れるのです。カジノを支配するのは、やはり地下から這い上がってきた一条(伊勢谷友介)です。
カジノの目玉は沼パチンコと呼ばれる巨大なマシーン。最終的に玉がゴールに入れば、プールに溜まっている今まではずれた玉のすべてを得ることができ、その額は何と11億円分。しかし、カイジはどうやっても入らない仕掛けがあると見てあきらめて外に出ます。
そのカイジの後を追いかけてきて声をかけたのが坂崎(生瀬勝久)で、ずっと沼パチンコの攻略を研究してきて、カイジとなら何とかなると考えたのです。坂崎はカジノのウエイトレスをしていた石田裕美(吉高由里子)を仲間に引き入れます。裕美を見たカイジは、以前鉄骨渡りで墜落死した石田の娘であることに驚きます。
坂崎は考案した磁石を用いた方法で沼パチンコに挑みますが、裕美の裏切りで玉は磁石を寄せ付けない真鍮製に変えられていました。一条はカイジに「姫と奴隷」へのチャレンジに誘います。3つの檻には姫と2匹のライオンがいて、奴隷はスイッチの一つを選び、姫の檻を開けられれば成功というもの。カイジの前に現れた姫は、何と裕美です。裕美は父親がカイジに殺されたと信じていて、私は勝ち組にしかベットしないと言い切ります。裕美はカイジに「3番」だと言いますが、混乱するカイジは悩みに悩んで3番を選び正解するのです。
どうやっても入らないように操作されている沼パチンコですが、カイジはやっとその仕組みに気がつき、多額の借金が残っいる利根川も仲間に引き込んで、到底誰も思いつかない奇想天外な方法で攻略に挑むのでした。
監督は第1作に続いて佐藤東弥。今回は原作者、福本伸行も脚本に参加し映画オリジナルゲームの「姫と奴隷」も追加されました。内容は前作と大して変わらない。地上に生還したはずのカイジが、クズっぷりを発揮して地下に落ちているところからスタート。
結局クズはクズという話ですが、一発逆転をかけてクズたちが寄ってたかって応援するところが、カイジと誰も信じない帝愛の悪役との違い。こうなると、カイジが大成功の人生を送りました・・・では話にならない。最後までクズというところが、この主人公の魅力ということのようです。
深く考え込む映画ではないので、その場その場のスリルを楽しめば、それで良しとする作品です。