アオ(大泉洋)は、空知で小麦畑で生業とする父親(大杉連)に反発し家を出て、オーケストラ指揮者として名が知られるようになります。父親が亡くなっても葬儀に出席することが無かったアオでしたが、突発性難聴で夢を断念せざるをえなくなりました。小麦畑を継いだ弟のロク(染谷将太)のもとに戻ったアオは、ブドウを植え付けワイン作りを始めますが、なかなか思ったようなワインができません。
ある日、キャンピングカーでやってきたエリカ(安藤裕子)が、ブドウ畑沿いの道路に穴を掘り始めます。アオは勝手なことをするなと怒りますが、ここはあたなの土地じゃないとあしらわれてしまいます。調べに行ったアオの友人たち、しまいにはロクまでも、エリカと宴会を楽しむ始末に、アオは面白くない。
自分を残して出て行った母親との唯一の絆であるアンモナイトの化石を集めるため。エリカは穴を掘っていたのです。アオは一生懸命なエリカの姿に少しずつ心を開き、アオのワインは泥臭いが美味しいと言います。今年の新しい樽を開いたアオは、思い通りにいかないことにイラ立ち、樽を捨て研究の資料などをぶちまけてしまいます。
ロクは、アオが家を出るきっかけになったアオの音楽のトロフィーを捨てたのは父親ではなく自分であること、そして拾い上げた父親が大事にしまい込んでいたことを話します。やっとアンモナイトを見つけたエリカは、アオに手紙を残して突然いなくなってしまうのです。
最後の最後までまったく笑顔を見せない大泉洋というのは、他には無いかもしれません。いつもの明るいキャラを封印して、シリウスな演技に徹する大泉というのも珍しく、この映画の見所の一つになっています。
ヒロインの安藤裕子は、横浜出身の女優で歌手活動も頑張っています。最初のうちは不思議チャンキャラなんですが、自らの心の傷を癒すために信念を持って行動する女性であることがわかる難しい役どころを好演しています。
前作もそうなんですが、北海道の自然の美しさは目を見張るものがあります。それがこの映画の大元にあることは間違いなく、ファンタジー風のストーリーや登場人物に違和感を感じたとしても、それを積み込んで許容してしまう魅力と言えそうです。
タイトルの「ぶどうのなみだ」は、春になると剪定した枝から水が染み出て活発な命の活動が再開されることを意味しており、登場人物たちの再生をあらわす言葉ということです。
前作もそうなんですが、北海道の自然の美しさは目を見張るものがあります。それがこの映画の大元にあることは間違いなく、ファンタジー風のストーリーや登場人物に違和感を感じたとしても、それを積み込んで許容してしまう魅力と言えそうです。
タイトルの「ぶどうのなみだ」は、春になると剪定した枝から水が染み出て活発な命の活動が再開されることを意味しており、登場人物たちの再生をあらわす言葉ということです。