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2024年7月20日土曜日

グッドモーニングショー (2016)

おそらく、おそらくですよ、各テレビ局が放送し続ける朝のワイドショーの実態をかなり暴露するような内輪ネタ映画・・・ですけど、それなりに楽しめるところはさすが。何しろ、脚本・監督が「踊る大捜査線」シリーズを作った君塚良一です。業界の事は一から百まで、いや万までよ~く知り尽くしています。

朝のワイドショー担当するメイン・キャスターは澄田真吾(中井貴一)、サブに入る女子アナは小川圭子(長澤まさみ)と新人の三木沙也(志田未来)。プロデューサーの石山聡(時任三郎)は、マンネリで人心一新が検討されていることを澄田に伝えます。

この日、いつものように午前3時に起床した澄田は、いきなり息子からできちゃった結婚すると告げられ、出社すると勘違い女子の圭子に私たちが付き合っていることを放送中にカミングアウトすると言われ、報道部からは低俗なワイドショーと嫌味を言われる。

それでも、いつも通り8時になると番組をスタート。いつもと同じと思いきや、突然入ってきた「立てこもり事件」の速報。テレビ局から近い場所で、猟銃を持った男が人質を取って立てこもったのです。しかも、犯人の要求は、何と澄田を連れてこいというものでした。

視聴率のためなら何でもしなきゃいけない澄田は、しかたがなく現場に急行し、隠しカメラ・隠しマイクをしたためて警察に守られて店に入るのでした。犯人の西谷颯太(濱田岳)は、澄田にワイドショーが散々嘘をまき散らしてきたことを土下座して謝罪しろというのです。

前半、生放送のテレビ番組が作られる仕組みの一端が事細かに見せられるのは、楽屋を除くような新鮮さがあり、本物を見たことが無くてもなるほどと納得できます。後半の犯人説得は、さすがにそんなこと警察がさせるわけがない。

でも、怒涛の勢いで番組が進行するのと同じで、映画を見ている側もそれが嘘だろうとか考える暇がありません。一気に押し切ってしまう、企画力の勝利ということでしょうか。こういう真面目そうなキャスターの役には、中井貴一はぴったりというところ。直接ストーリーに関わるわけではありませんが、長澤まさみのいかにも「女子アナ」風のキャンキャンした雰囲気が良いアクセントになっています。

特別に世間に訴える内容があるとは言えませんが、ワイドショーの功罪をうまくまとめ上げているところが見どころというところでしょうか。