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2024年7月8日月曜日

銀魂 (2017)

実際、「巨人の星」とか「あしたのジョー」でマンガ歴が停止している自分としては、ほとんどのマンガは未読。ですから、映画で実写化したといっても、元々を知らないのであまり原作との差異は気にならない・・・ってか、気にできない。

21世紀の空知英秋の「銀魂」は、まったくわからない。わからないにも関わらず「SF人情なんちゃって時代劇コメディ」と作者自ら称しているところとキャスティングに興味があって映画ならというわけで見てしまいました。

原作を知らないと、この独特過ぎる世界観はわずかな説明しかないのでかなり理解に苦しむと思いきや、見ているうちに何となくわかってくる仕組みになっていました。監督は例によってバカ騒ぎ大好きなギャグ映画が得意の福田雄一で、当然脚本も監督本人が担当。福田作品らしくくだらないしょーもないギャグ満載なんですが、テンポが良いので見れる作品でした。

未来感のある世界ですが、時代は江戸末期。天人(アマント)と呼ばれる宇宙人の襲来によって、将軍は天人の軍門に下り幕府は傀儡政権になってしまいました。かつて吉田松陽の塾で学んだ坂田銀時(小栗旬)、桂小太郎(岡田将生)、高杉晋助(堂本剛)らは天人に戦いを挑んでいましたが、今では散り散りになり刀も失い隠遁生活を送っていました。町では治安を守るため真選組が組織され、局長の近藤勲(中村勘九郎)、副長の土方十四郎(柳楽優弥)、沖田総悟(吉沢亮)らが幅を利かせていました。

銀時は町で何でも引き受ける万事屋を商売にして、元剣術道場の跡取りで弱虫の志村新八(菅田将暉)、宇宙最強の夜兎族の少女である神楽(橋本環奈)らと生活していました。銀時は刀鍛冶の村田鉄也(安田顕)から連絡を受け、盗まれた亡き父の打った名刀「紅桜」を探すよう依頼されます。そのころ江戸の町に辻斬りが出没し、銀時の昔馴染みの桂が斬られます。

桂を斬ったのが紅桜を手にした岡田似蔵(新井浩文)であることがわかり、銀時は仁蔵と戦うのですが、紅桜の強大な妖力の前に重傷を負ってしまいます。桂の匂いをペットの巨大犬・定春に追わせた神楽は停泊中の巨大戦艦にたどり着きますが、そこは悪徳商人の武市変平太(佐藤二朗)と部下の二丁拳銃使いの来島また子(菜々緒)、そして彼らを操り江戸の町を破壊することを企む高杉晋助らのアジトだったのです。

紅桜は村田自身が打ったもので、斬れば斬るほど相手のデータを蓄積して強大化し、持つ者すら取り込んでしまう刀でした。似蔵はもはや刀と一体化した化け物と化していたのです。神楽は捕まり、助けに乗り込んだ新八も捕らえられピンチとなりますが、事件の真相にたどり着いた真選組が乗り込んできます。そして、まだ傷が癒えない銀時も決戦を挑んでくるのでした。

原作を知っている人からは、かなりマンガに近い見た目の登場人物、そしてセリフや行動も原作を損ねないので、なかなか評判は良いらしい。アクション・シーンはまずまず頑張った。CGは合格最低ラインはクリア。笑わせる部分としんみりさせる部分のバランスが丁度よいので、ギャグはやりすぎ感はあるものの作品としてはまとまった出来になっています。