ギャグ映画が大得意の福田雄一が監督・脚本した、本当にギャグとしか言いようがないショーモナイ作品です。基本的に大泉洋の素を、そのまま役に当てはめたというだけあって、最初から最後まで主役がぼやきまくるという不思議な映画です。
当然、内容は中国の後漢から三国時代の、各地で多くの人材が名を上げていた時代の歴史書「三國志」を基にしたものですが、勇猛果敢なはずの登場人物をかなりその場しのぎのいい加減な人物として描いているので、いくら「新解釈」とは言え、よくも中国から猛反発を食らわなかったなと思います。
とは言え、いずれにしてもくだらいギャグ満載で、あまりにもドタバタが過ぎてしまったため、有名俳優が大勢出演しているにも関わらず、やはり高い評価は得られていません。基本的にはマニアックな福田ファンとかコアな大泉ファン以外には、ほぼ不要な作品と言えると思います。
蜀を率いる劉備(大泉洋)は超めんどくさがりなのに、部下の関羽(橋本さとし)と張飛(高橋努)から祭り上げられて仕方がなく将軍になっちゃった。一番強い部下は常にかっこつける趙雲(岩田剛典)で、時代考証的絶世の美女である貂蝉(渡辺直美)を、後漢を牛耳っていた暴君、董卓(佐藤二朗)のもとに送り込み、部下の呂布(城田優)を手玉に取って董卓を殺させます。
劉備は軍司として諸葛孔明(ムロツヨシ)を招き入れますが、孔明も劉備に劣らずいい加減な男。劣勢の呉の孫権(岡田健史)と手を組んで、北方で力を強大化している魏の曹操(小栗旬)と対決するように進言します。
長江の赤壁で相対する曹操軍と劉備・孫権連合軍。曹操軍は合戦前の酒盛りで裸踊りで楽しんだため、多くの兵がお腹をこわし疫病が蔓延してしまいます。劉備は疫病のところなんかに行きたくないと撤退してしまうのです。
孔明だけが残り、ずっと向かい風でしたがもう直追い風になるタイミングで火を放てば勝てると言い張るのでしたが、呉の周瑜(賀来賢人)は信用しません。実は孔明の考える作戦は、すべて妻の黄夫人(橋本環奈)の手ほどきによるものだったのです。
他に磯村勇斗、山本美月、山田孝之、西田敏行なども登場しますが、びっくりするチョイ役で広瀬すずまで出演しているのは驚きました。