年末年始診療 12月29日~1月5日は休診します

年内は12月28日(土)まで、年始は1月6日(月)から通常診療を行います

2024年11月7日木曜日

書道ガールズ!! わたしたちの甲子園 (2010)

書道にかける女子高校生たちの実話をもとにした、感動青春映画。といえば、よほどのことが無い限り、失敗することにない鉄板ネタです。監督は猪股隆一、脚本は永田優子。

2008年に地元を盛り上げようと愛媛県立三島高等学校が始めた「書のデモンストレーション」が始まりで、それをテレビ局が取り上げ、紙の街、四国中央市のイベントとして「書道パフォーマンス甲子園」を企画し、現在に至るも開催されています。

愛媛県立四国中央高等学校の書道部の部長は早川里子(成海璃子)で、書のライバルであった岡崎美央(山下リオ)が部活に出なくなり、書を書くことが苦痛に思え周りにもきつい態度をとることが多くなっていました。

副部長の篠森香奈(桜庭ななみ)は、何とか部を盛り上げて楽しくしたくてしょうがない。好永清美(高畑充希)は他人の気持ちを考えるのが苦手で一人で突っ走るタイプ。下級生の山本小春(小島藤子)は中学の時のいじめが原因で無口で心を閉ざしている。

ちょうどそこへ、赴任してきた理科教師の池澤(金子ノブアキ)が書道部の顧問になります。池澤は何らかの理由で書家になることを断念して人物で、里子の書をみて「つまらない」と口走るのです。

町は不景気で、商店街も店が次々に閉店しており、清美の父の経営する文具店もついて閉店することになり、皆で書道パフォーマンスをして閉店セールを盛り上げようということになりました。しかし。せっかく集まった人々に墨を飛ばして失敗してしまいます。

それでも里子は初めて目的をもって書を書く楽しさを感じ、部員全員で一致団結して書き上げる作業に手ごたえを感じるのです。町の活性化にも役立つと考え、商店街や市役所に陳情して「書道パフォーマンス」のイベントを行うことにこぎつけたのでした。

しかし、どんなに練習をしても池澤は「まだ何かが足りない」と言うだけで、何が足りないのかは教えてくれません。里子は、パフォーマンスを完成するためには、学校さえも去ろうとしていた美央が必要であることに気がつくのでした。

もはや、当然そうなるという展開なんですが、どんなにわかっていても見入ってしまうのは青春のひたむきさがあるからです。これは演出の力というよりは、やはり出演者たちの頑張りのおかげといえます。

映画としては、当然と言えば当然ですけど、書道ガールズだけに注目した展開。書道部には書道ボーイズもいるんですが、最後までほとんどオマケ以下の扱い。書道師範の里子の父、和紙製造業者のおじいさん、ある意味池澤先生すら、重要な役回りの人物についての描きこみがほとんどありません。

この辺りは映画全体の深みという点からは、物足りなさを感じるポイントで、監督・脚本の力量について残念なところ。実話を重視し過ぎて、フィクション部分の膨らまし方を手加減してしまったというところかもしれませんが、映画としてはかなりパワーダウンしたことは間違いないように思いました。

2024年11月6日水曜日

ヒガンバナ〜警視庁捜査七課〜 (2016)

2014年にスペシャル・ドラマで放送された「ヒガンバナ〜女たちの犯罪ファイル〜」が、連続ドラマになって帰ってきました。話はスペシャルの話のちょっと前からスタートします。

瀬川すみれ警視正(大地真央)は、女性刑事だけで構成され、女性でしかできない仕事をこなすため捜査第七課を創設しました。捜査第一課の峰岸雪乃(檀れい)は正義感が強く、上司にもずけずけ物を言うためうるさがられ、第1話の後第7課への移動を命じられてました。

捜査第七課は、各部署で厄介払いされたような女刑事が集まっていたため、根に毒を持つヒガンバナに例えられて呼ばれていました。主人公の来宮渚(堀北真希)の警察官だった父親が殺された事件が、スペシャルの最後に少しだけ小出しにされていました。連続ドラマではその事件の真相と何故来宮が特殊な「シンクロ」と呼ばれる特殊能力を持つようになったかが描かれます。

通常、こういう刑事物では一話完結で、少しずつ全体の謎が小出しにされ最終回で一挙に解決するパターンが多いのですが、すでにスペシャルで登場人物のキャラクターは説明済みということで、毎回の事件よりも全体の謎に絡んだ部分の方に時間がさかれています。

だいたい前半で来宮の父親の死の真相がわかり、後半でその死がほとんど表に出なかった警察内部の隠蔽について解明されていく構成です。

女性刑事だけというのは、やはり無理な設定という印象がします。また、人の悪意が読めてしまうという「シンクロ」も、どうしても馴染めないかなと思います。地道に捜査しても、特殊能力が出てしまうとちょっと白けてしまう。

とりあえずストーリーはまぁまぁ良く出来ていて、全体の流れ時代は悪くないので、何とか最後まで見ることはできると思いますが、スペシャルだけでもよかった・・・というと堀北ファンから怒られるかもしれませんね。

2024年11月5日火曜日

ハコヅメ〜たたかう!交番女子〜 (2021)

元警察官だった泰三子によるマンガが原作で、日本テレビ制作のテレビ・ドラマ。「相棒」シリーズや「監察医朝顔」などを手掛けた根本ノンジが脚本を担当しています。

町山警察署町山交番勤務(通称ハコヅメ)の新人警察官、川合麻依(永野芽衣)は、交通違反を取り締まれば文句を言われ、犯人を追いかけると体力が追い付かず、仕事に嫌気がさして辞表を出そうとしている毎日。そこへ、刑事課でバリバリに任務をこなしていた藤聖子(戸田恵梨香)が指導員として交番に配属されてきましたが、これは後輩へのパワハラによる左遷と噂されていました。

交番の所長(通称ハコチョウ)は伊賀崎警部補(ムロツヨシ)で、楽に仕事をするのが得意で日頃の川合の悩みも軽く受け流してしまうのでした。捜査一課には藤の同期で、警察学校以来の言いたいことを言い合える源(三浦翔平)、そして源のペアで新人刑事の山田(山田裕貴)、藤のかわりに一課に配属された牧高(西野七瀬)らが、いろいろとドラマを盛り上げています。

主に川合の成長がストーリーを進めているのですが、一番の中心となるのは、何故藤が左遷されてきたのかというところ。以前、藤の同期の桜しおりがひき逃げされた事件があり、なかなか進展しない捜査のために自ら移動してきたのです。それは、川合が桜に似ていたため、再び犯人が現れるのではないかと考えたからだったのです。

基本的にはものすごくテンポの良いコメディで、コロナ禍での撮影でしたから、いろいろと苦労も多かったことと思います。警察物というと、ほとんどが刑事がメインだったりしますが、交番が舞台というのは目新しい。

交番勤務の巡査というと、ある意味われわれ一般市民には一番身近な警察官です。彼らの仕事の理解にもつながって、なおかつ適度な笑いとほのぼの要素が丁度よくミックスされている佳作と思います。

戸田恵梨香と永野芽衣のコンビもなかなか良い。この二人は、ほぼ同時期に映画「母性」で親子として共演していて、そっちはかなりシリアスな展開の作品です。

2024年11月4日月曜日

下剋上実現!! ベイスターズ


大谷クンの影響でアメリカの野球ばかりが注目されていましたが、日本でもセ・パ両リーグが激突する日本シリーズが決着しました。

結果は、ベイスターズの逆転優勝という、予想を覆す「下剋上」を見事に達成です。

もともと日本シリーズは4月から9月に行われる両リーグのペナントレースでの覇者が対決するものでしたが、2007年からクライマックス・シリーズというポストシーズンが追加されました。

ペナントレースの上位3チームが、順位ごとのハンディのもと戦うというクライマックス・シリーズは、今でも賛否が分かれるところですが、今年のセリーグはペナントレースは優勝ジャイアンツ、ベイスターズは3位という結果。

つまり、クライマックス・シリーズで下位ながら勝ち上がり、そして日本シリーズでいきなり2連敗してからの4連勝という戦いぶりが、まさに「下剋上」と呼ぶのにふさわしい戦いだったのが横浜ベイスターズです。

選手の皆さん、おめでとう!! 熱烈なファンの皆さん、本当に良かったですね!!

自分も横浜市民ですから当然陰ながらベイスターズを応援していたわけですが、昭和のおじさんとしてはどうしてもひっかかるのは、名前は変わったけど本来「川崎大洋ホエールズ」だろうという意識がとれないこと。

一体、いつの話をしているんだと怒られそうですが、やはりこどもの頃に刷り込まれた記憶と言うのは「三つ子の魂百まで」なんですかね。

もう一つ、下剋上はドラマティックですけど、だったらペナントレースはいらないような気分も払拭できない。何にしても、サッカーに食われた日本のプロ野球人気を再び活性化させるのはなかなか難しそうです。

2024年11月3日日曜日

文化の日


「文化の日」は、期日が固定された国民の祝日の一つです。

自由と平和を愛し、文化をすすめること・・・と規定されていますが、文化というのはかなり広い内容を含む概念ですから、頭では何となくわかっていても、いざ口で説明するとなるとけっこう難易度が高い。

調べてみると「民族や社会の風習や伝統、思考方法、価値観などの総称で、世代を通じて伝承されていく物質的・精神的成果」が「文化」だそうで、同じく経済・技術的進歩は「文明」と呼ばれるらしい。

それでも、凡人には何かわかったようなわからないような・・・具体的に芸術と呼ばれるような音楽、美術、文学とか、ファッションなどの流行、そして宗教、法律、哲学のようなもの全般的に文化と呼んでいるということになるんでしょうか。

じゃあ、何で11月3日なんだ、っていう話なんですが・・・

「路傍の石」で有名な小説家の山本有三が、戦後に参議院議員として祝法の制定に尽力し、その理由について参議院文化委員会で、「新憲法は1947年5月3日に施行されましたが、公布されたのは前年の11月3日である。戦争を放棄し自由と平和を愛する、そして文化をすすめるということで決定した」と説明しています。

ただし、もともと11月3日はそれまで明治節と呼ばれていた祝日で、明治天皇の誕生日だったため、今でも「明治の日」に改称しようとする戦前回帰の動きがあり、いろいろと問題はくすぶっているようです。

まぁ、一般人としては、普通に休日としてのんびりさせてもらえば良いというところですけど・・・

2024年11月2日土曜日

Miles In France 1963 & 1964 (2024)

ジャズ・トランぺッター、マイルス・デイビスの久しぶりの「新譜」が、もうじき登場します。

マイルスが亡くなったのは1991年で、享年65歳でした。亡くなると、膨大な海賊盤が市場にあふれ、まだこんな音源がありましたという話題が続きましたが、それも10年ほど前からはほぼ出尽くした感がありました。

その頃から、本家本元のColumbiaレコード・ブランド(現ソニー・エンターテインメント)から「Bootlegシリーズ」が登場。海賊盤で初めて世に出た貴重な演奏音源を、正式なものとして発売していくというびっくりなものでした。

だったらリアルタイムで発売すれば良かったのに、と言いたいところもありますが、当時は本人が発売を許可しなかったり、発売することを前提としたものではなかったり、似たような内容のライブがすでに登場していたり・・・などなどの理由でお蔵入りしていたものが多い。

ですが、各3~4枚組CD(一部DVD)のセットで、これまでVOL.7まで発売され、中にはこれは何故リアルタイムに公式に発売されなかったのか不思議なほど素晴らしい物、あるいは海賊盤で寂しい音質だったのがグレードアップして楽しくなる物もけっこう含まれていました。

さすがに、このシリーズも今回のVOL.8で、そろそろ終わりそうな予感もします。今回は、すでに公式盤の名盤として認知されている「Miles in Europe (1963)」の完全版と同時期のフランスでのライブ集成です。

1963年はハービー・ハンコック(p)、ロン・カーター(b)、トニー・ウィリアムス(ds)という鉄壁のリズム・セクションが加入し、マイルスがライブをたくさん行いメンバーを鍛え上げていった年。テナーサックスはジョージ・コールマンでしたが、1964年にはウェイン・ショーターに変わり、新生クインテットが始動します。

今回のライブは6枚のCDというボリュームで、この過渡期のグループの二人のテナーマンを聴き比べることができるので、マイルス愛好者には垂涎のアイテムになりそうです。

2024年11月1日金曜日

夢を叶える


アメリカの野球・・・メジャー・リーグが、これほどまでに注目された年はいままでありませんでした。日本でもセパ両リーグの雄が激突する「日本シリーズ」が行われてる最中にも関わらず、アメリカの最終決戦「ワールド・シリーズ」が連日テレビで放送されるという盛り上がりでした。

結果は御存知の通りで、東のヤンキースと西のドジャースが対戦し、日本時間で昨日午前の試合でドジャースが優勝を決めました。ドジャースの進撃の原動力になったのは、チーム全体の力が優れていたからなのは間違いありませんが、やはり大谷翔平の新規加入の影響は少なからずあったことは本場でも認めるところ。

日本人的には基本的には大谷選手への注目が先に立つので、ニュースでも大谷選手の活躍の話題ばかりで、試合そのものの内容についてはあまり報道されてきたとは言い難い。ただし、去年までと違うのは、エンジェルスと違いポストシーズン進出への期待。そして大谷選手も、そこを意識して移籍したわけですから、日本でも俄然、注目度が上がるのは当然です。

結果として、左肩の怪我もあり、大谷選手らしさは影を潜めたシリーズになったことは否めませんが、その存在感は強烈でした。対戦相手からすれば、調子が悪そうでも大谷選手が打席に入るだけでかなりのプレッシャーになることは間違いありません。

それにしても、次から次へと夢を叶える大谷翔平と言う男の凄さには感服するしかない。かつて、トーマス・エジソンは「天才とは1%の閃きと99%の努力」と述べたことは有名ですが、大谷選手はまさに努力の人であり、その姿が周囲にも大きな影響を及ぼしていることは想像に難くありません。

大谷選手の次の夢・・・目標はなんでしょぅか。ワールド・シリーズ連覇は当然ですが、おそらくそれは打者だけでなく投手としての出場なんだろうと思います。ますます、期待して注目したいと思います。