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2008年5月10日土曜日

Livia Rev / Mendelssohn "Song without Words"

モーツァルトが30才代後半で若くして没すると、その数年後にメンデルスゾーンが生まれ、彼もまたドイツロマン派の音楽家として名を残しました。しかし、メンデルスゾーンも30才半ばで亡くなっています。

モーツァルトに負けず劣らず多作ですが、娯楽音楽的な色彩のモーツァルトに比べ、余情的な作風で、どれをとっても美しいメロディがあふれた曲ばかりを残しています。交響曲や真夏の夜の夢が最も知られていますが、無言歌集 Song without Words はメンデルゾーンが作曲した最も有名なピアノ独奏曲でしょう。

無言歌集は6曲ずつで構成される、比較的短い大変に美しいメロディがつまった宝石箱のようです。誰もが、聴けば聴いたことがあるメロディがいくつか必ず出てきます。タイトル通り、まさに歌詞をつければ、すぐに歌になりそうな曲集です。

しかし意外に全曲録音をしているピアニストは多くない。HMVで探しても、それほど選択肢はありません。リヴィア・レフは1912年ハンガリー生まれの女流ピアニスト。ショパンの演奏で名をあげたようですが、あまり情報はなく知らなクラシックファンもけっこういるのではないでしょうか。もちろん、自分も何も知らずに、HMVのユーザーレビューだけを頼りに購入してみたのです。

そもそも何でこれを聴きたいとおもったかというと、実はやはりグレン・グールドが関係しているのです。グールドは無言歌集から数曲だけを演奏していているんです。自分のクラシックピアノの道標はグールドなわけで、彼が弾いていた曲を中心に他の人の演奏へ広げていっているのです。

レフの演奏は一言で言うと、まさに「歌うが如し」です。他の人の演奏と比較できませんが、ただ小さく弾くだけでリリカルな演奏と言われているようなピアニストがいますが、レフはスピード、強弱などを見事に使い分け、嫌みのない演奏をしています。全部でおおよそ2時間、飽きずに聴き通すことが出来ます。