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2008年5月4日日曜日

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昔から絵画を見るのは嫌いではないのですが、特別に勉強をしたわけでもなく、単に「いいなぁ~」と思う程度であまり学問的ではありません。

絵画の世界で「印象派」という作家がいるわけで、ルノワール、セザンヌ、ピサロ、ドガ、モネなどが代表的な人たちです、とか、ゴッホ、ゴーギャンなどは新印象派と呼ばれているという基本的な知識はありましたが、だからそれが何? という感じです。

ヨーロッパではルネッサンスと宗教改革以降に、現実主義的な芸術感が強まり、絵画でも肖像画が中心になりますが、19世紀前半にリアリズムの頂点にたつ写真技術の発明により、絵画は見た目の美しさや雰囲気、つまり印象を大事にしていくようになったわけです。

クラシック音楽をいろいろ集めていると、そのCDジャケットにその作曲家の時代の絵画が使われていることが多く、ときどき「ほぉ~」と思うような絵を目にすることがあります。ドビッシーとラベルという19世紀を代表するフランスの作曲家のピアノアルバムにスーラ(Seurat)の絵が使われていました。こういう点々とした描画方法の絵はイラスト的にも好きなんですよ。

でもスーラって誰? という感じで知りませんでした。19世紀半ばにうまれ、おそらくこうした芸術の変革期にあって熱い思いをいだいていた作家なんでしょうが、若くして亡くなったため作品が少なく比較的知られていないようです。

南仏の白い砂浜の熱すぎない夏の様子が、さわやかな風を運んできてくれるようで、まさにドビッシーのピアノ作品とベストマッチで、よくわかった人が、ちゃんとこだわってジャケットを作ったんだろうな、と思います。スーラの代表作は、セーヌ川の中州でのんびりと過ごす人々を描いた「グランド・ジャット島の日曜日の午後」という作品で、インターネットで手に入る画像で見ていても人物がのんびりと思い思いの休日を楽しんでいるのがよくわかり、今にもフランス語の会話が聞こえてくるようです。