しんけいかさねがふち、と読みます。明治時代の噺家で名人の三遊亭圓朝の作った怪談噺の名作です。
無惨に殺された按摩の娘二人に因縁が因縁を呼ぶ、究極の人間模様が題材。あらすじはこちら。実はインターネットは便利で、著作権の切れた小説などを無料で読めるサイトがあります。インターネットの初期からあって、いままでにもずいぶんお世話になっているサイトの名前は青空文庫。ここに圓朝の速記本の真景累ヶ淵が登録されているので、興味のある方は是非ご一読を。
高校生のころ六代目三遊亭円生、上野動物園で最初のパンダが死んだ日とと同じ日に亡くなったあの昭和の名人にはまっていた話は前にも書いていますが、この圓生しかできない演目の一つがこの真景累ヶ淵なんです。八代目林家正蔵(彦六)もやっていましたが、ちょっと地味すぎて花がありませんでした。
大変長い話で、圓生は一席1時間くらいで8回に分けて演じました。そして、後半は地味でつまらないという判断で割愛していました。一人で何人もの登場人物を描き分ける話芸の究極の姿がこれ、と言っても過言ではありません。
圓生人情噺集成の第1巻、LPレコード13枚組は今でも宝物です(現在は圓生百席としてCDになっています)。