2008年5月21日水曜日

古くさい父親

身體髮膚 受之父母
不敢毀傷 孝之始也

これは孔子と弟子の会話をまとめた孝経における有名な一節。身体髪膚(しんたいはっぷ、体や髪の毛皮膚にいたるまですべて)、これを父母に受く(両親より頂いたもの)。敢(あえ)て毀傷(きしょう)せざるは、孝の始めなり(傷つけないようにすることが孝行の基本である)。

戦前の道徳教育の典型のような文章なので、こういうものに対して、すぐに軍国主義と結びつける方がいます。自分は戦後生まれで軍国主義についてはわかりませんし、別に戦前の日本を美化するつもりもありません。

しかし、自分のこどもが五体満足に生まれたことは素直に喜びましたし、医者という仕事をしている関係で、健康であるということが何事にも代え難い大事なことであると思います。ですから、この句は大変に重要だと考えています。人間として普遍的な真理というものは必ずあって、新しくても古くても忘れてはいけないのではないかと思います。

何か大袈裟なことを書いているようですが、実はそんなにたいした話ではありません。自分の長女が、ピアスをしたいといいだしました。若い女の子ですから、今時ピアスくらいしょうがないと思います。それを禁止するつもりは毛頭ありません。

ただし、ピアスの穴を開けるのは簡単ですが、少なくとも自分で開けることはできない理由がこれです。というわけで、「皮膚科」のあざみ野棒屋先生のところに長女がお願いに上がったというわけなんです。ご迷惑をおかけしました。