アバド氏が亡くなりました。1933年イタリアで生まれ、80歳でした。
自分の場合、クラシックをまじめに聴くようになったのはこの10年くらいですから、アバドは病気で休養することが多くなった頃で、最近の活躍が少ないのが寂しく思っていたところでした。
また、オーケストラ物があまり得意ではないので、積極的に聴かなかったというのもあり、アバドの本当の実績はよく知らないというのが正直なところではあります。
しかし、世界の名立たる指揮者の中で、頂点にいる一人と言う認識をしていたのは、やはりベルリン・フィルハーモニーの芸術監督に就任したからです。
現在の世界のオーケストラの中で、ベルリンフィルは間違いなく最高の評価を得ている楽団であり、指揮者を目指す人は、いつかベルリンフィルを振ってみたいと夢を描く。
1980年代まで、フルトヴェングラーとカラヤンによって作り上げられた、モダン楽器による超重量級の分厚い音は、ベルリンティル以外には出せない迫力です。
神に近いカラヤンが亡くなった後、誰がベルリンフィルを継ぐのかというのは、当時クラシックをあまり聴いていなかった自分にも気になるところでした。ですから、カラヤンの次はアバドとなって、自分の中でも大きく認識されたわけです。
アバドのあとに就任した、現音楽監督のラトルは(ぐしゃぐしゃの頭もあって)どうも小物と感じてしまうのは自分の知識不足かもしれませんが、「カラヤンでなければアバド」という自分の評価は今後も続く事でしょう。
合掌