地・風・炎・・・風林火山みたいな並びですが、西洋魔術的な、しかも黒魔術的な連想をしたくなるバンド名。
最初は、ロックとジャズが融合したようなブラス・ロックの一つみたいな感じで、ブラッド・スエット&ティアーズ、とかシカゴ、チェイスとかの白人バンドに対向する、黒人バンドとして人気を獲得しました。
ただ、黒人側としては、すでにスライ&ファミリー・ストーンズという強力なバンドが存在していて、二番煎じ的な感が否めませんでしたが、当時若者の遊び場として定着したディスコで踊れる音楽向けの方向性をはっきりさせてからは、飛ぶ鳥を落とす勢いとなります。
数多くのヒット曲を連発して、アルバムも驚異的なセールス。ただポップなだけでなく、最初から持っていた音楽性も確実に盛り込んでいたため、ダンスと関係なく音楽としても十分に聴き応えがありました。
そして、このバンドの傑作の頂点に立つのがこのアルバムでしょう。レコード盤をプレイヤーのターンテーブルに置き、針を落とす。一瞬の間があって、いきなりでてくるシンセベースの地響き一発で、もうEW&Fワールド。
ちょうど大学に通っていた頃でしたが、こういう「かっこいい」音楽は最高にのりのりになれるベストだったわけです。また、アーティスティックなジャケットも、部屋に置いて実にさまになったものです。
しかし、EW&Fはこのアルバムのあと、急速に失速してしまいました。時代の頂点を極め、実質的に燃え尽きた感ということでしょうか。