2021年8月22日日曜日

ゴースト・イン・ザ・シェル (2017)

スカヨハついでと言ったら失礼ですが、もう一つ北野武主演、桃井かおり助演のSF作を見ちゃいました・・・というのは冗談で、マニアが大好きな日本のSFマンガ、「攻殻機動隊」をハリウッドが実写化した話題作。監督は「スノーホワイト」のルパート・サンダース。

士郎正宗の1989年のマンガが元で、1995年に押井守がアニメ映画化したものが大ヒットして、一気に国内外に知名度を広げました。正直に言うと、この原作マンガも押井守の映画もまったく見たことがありません。なんですが、「攻殻機動隊」のファンにはこのハリウッド実写版は違和感があって、いろいろと突っ込み所があるらしい。そういうところで、元を知らないので、日本調を取り入れたSFサイバー・パンク・アクション映画として見ることができると言うものです。

電脳社会が高度に発達した近未来。人は体のほとんどをロボット=義体にして、あらゆるネットワークでつながっています。サイバー・テロ犯罪を取り締まる公安9課は、荒巻(北野武)をトップに、脳以外はすべてロボットの少佐(スカーレット・ヨハンソン)を中心に活動していました。少佐の義体化は、ロボット技術を推進するハンカ社で、オウレイ博士(ジュリエット・ビノシュ)のもとで行われたのです。

ハンカ社と組んだら破滅だと言う謎の男、クゼは2571計画の極秘情報を求めてハンカ社の研究員を次から次へと襲います。公安9課はクゼを追い、少佐はついにクゼを発見しますが、逆に2571計画で失敗作として捨てられたのが自分で、少佐は最初の成功例として彼らに都合の良い偽物の記憶を刷り込まれていると教えられます。

少佐はハンカ社に捕獲され、余計な知恵をつけたとして重役のカッターによって廃棄されそうになる。しかし、オウレイ博士は、少佐の本当の記憶を渡し逃がします。本当の記憶に従って、少佐はスラムのアパートで独り暮らしのハイリ(桃井かおり)に会います。

ハイリの娘、素子はこの電脳化した社会を嫌い仲間と逃げましたが、ある日役人が素子の遺灰を届けに来たと話します。ハイリは少佐に、「見つめる目が素子に似ている。あなたは誰?」と聞くのでした。

廃墟にやって来た少佐は、恋人のヒデオと共にハンカ社の実験用人間狩りにあったことを思い出します。そこへ、クゼ・・・ヒデオが現れ、「素子、一緒に戦おう」と言うのですが、カッターの操る多脚戦車はすぐそこに迫っていました!!

という話なんですが、北野武が話すのは日本語。桃井さんは英語です。北野武は、どう見てもアウトレージになっちゃう。どうせハリウッド版なんだから、そこはこだわらずにアメリカ人の俳優でよかったんじゃないかと思ってしまう。

桃井さんは少佐の自分探しの鍵となる重要な役回りで、それなりにいいんですけど、やっぱり娘がスカヨハじゃどうもピンと来ない。このあたりは、原作へのリスペクトと割り切るしかないようです。

スカーレット・ヨハンセンは、白い攻殻スーツを着ていると、遠目には全裸っぽくてエロいのですが、それほどナイスバディじゃないので(ゴメン!)かえって太って見えてしまうのがもったいない。黒い防弾アーマーを着ている方がスタイリッシュかもしれません。

全編に渡ってCGてんこ盛りなので、俳優がワイヤー・アクションで体を張ってアクションをしても、どうせ作り物みたいな感じがしてしまいます。特殊撮影は本来気が付かないくらいに使われているから効果的なんですが、CGの時代になってどんどん見せるようになって嘘が嘘を重ねているようなところがあります。

というわけで、原作によいしょしないで、まったくアメリカナイズした話に作り替えてたらもう少し評価が上がったかもしれないですね。