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2021年8月28日土曜日

トロン・レガシー (2010)

元祖「トロン」から28年、何とその続編が制作されたました。このため1982年の第1作は「トロン・オリジナル」との別名で呼ばれるようになりました。

監督はジョセフ・コシンスキー。この後「オブビリオン」を監督し、さらに今年は「トップ・ガン」の続編「マーヴェリック」が控えています。

前作でエンコム社のトップについたフリン(ジェフ・ブリッジス)と盟友アラン(ブルース・ボックスライトナー)。さらに会社を大きくしたにもかかわらず、フリンは7年後、息子のサムを残して謎の失踪をします。

さらに20年が経って、アランは、サム(ギャレット・ヘドランド)にフリンからメッセージが来たと伝え、かつてフリンが経営していたゲーム・センターの鍵を渡しました。サムはゲームセンターで、フリンの研究設備を発見し、システムを起動します。その結果、デジタル化レーザーによってサムはコンピュータの世界「グリッド」に移動してしまうのでした。

ただちにサムははぐれプログラム狩りにより捕獲され、戦闘ゲームをさせられます。何とかしのいだサムは、グリッドのリーダー、まるで若かったころのフリンにそっくりなクルーのもとに連れ出されます。クルーは自らサムを処刑するためグリッド・ゲームを行いますが、突然現れたクオラ(オリヴィア・ワイルド)に助けられます。

クオラはサムを、クルーから身を隠している本物のフリンのもとに連れていきます。フリンは、グリッドの世界に頻繁に入り込んで、この世界を完璧な物にするためにクルーというプログラムを書いたのです。そこへ自然発生したのがアイソと呼プログラムで、フリンはアイソこそが世界を変えるものと考えますが、クルーは不完全と判断しアイソを虐殺しフリンすら排除しようとしたのです。

クオラはフリンに助けられた最後のアイソでした。サムとフリン、そしてクオラは何とか現世界へのポータルから脱出を図ろうとしますが、クルーがその前に立ちふさがります。フリンは自らクルーを抑え込み消滅し、サムとクオラをポータルに送り込みます。現実世界に戻ったサムはバイクにクオラを乗せて、まだ見たことが無い日の出を見せるのでした。

・・・ってな話で、前作と比べて格段とCG技術が進歩したことはよくわかる仕上がりです。ストーリーとしても悪くはないとは思います・・・が、正直、プログラムにあまりに人格が形成されすぎているところがややピンとこない。

CGも壮大なグリッドの世界の景色などを見せてくれて、それはそれで壮観ですけど、かえってデジタルの世界という観点からは何か別物という印象です。コンピュータの中の0か1のデジタルの世界は、安っぽいかもしれませんが前作の方がしっくりきました。

だいいち、プログラムであるクオラが現実世界にやってきて、そのまま人間の姿というのはどうなのという感じもしますし、突っ込み所は山ほどあります。どこかの異次元の世界に飛ばされてしまったという話なら、違和感はあまりない。

若いジェフ・ブリッジスであるクルーは、顔は完全CGのはめ込みだそうですが、よくぞここまでできるもんだと感心します。ただし、逆に言えば、そこまで嘘を真実らしく見せられると、やはり何でもありみたいなもので、もう俳優さんそのものが不要かと思ってしまう。CG技術は、さりげなく使ってくれた方が映画としての面白みがあると思うのは古い人間だということでしょうかね。