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2021年8月4日水曜日
TOKYO2020 ~ オリンピック精神
オリンピックがたけなわで、日程の半分くらいまで進行しています。
前半は好調の日本も、後半になるとメダルが期待できる競技が少なくなりますが、そこばかりを気にせず選手の一人一人の頑張りを期待したいものです。
1964年の東京オリンピックの当時は、オリンピックに出場できるのはアマチュアに限られていました。スポーツをすることで生計を立てている、プロフェッショナルと呼ばれる人は参加できなかった。
従って、オリンピックはアマチュア・スポーツの祭典という認識が正しかったのですが、いつのころからかプロも参加できるようになった。これは純粋にスポーツを競うのに、プロもアマもないというアスリート側からの意見もあったかもしれませんが、やはり一番の理由は人気のある選手を集めてスポンサーを増やしたい国際オリンピック委員会(IOC)の意向が強い。
プロとアマが混在するのはハンディがあると思われますが、例えばテニス、ゴルフ、野球のようなプロが活躍している種目では、実質的にアマチュアは締め出されている。それがいいのかどうかも議論されるべきポイントかもしれません。
1980年から20年にわたるIOCにおける長期政権を築いたサラマンチ氏が、オリンピックを商業化し拡大した最大の立役者であり、一方で巨大権益の温床として貶めた悪人ともいわれています。
オリンピックは各競技の真の王者を決める戦いというイメージでしたが、サラマンチ体制の時代に各競技はれぞれの「ワールド・カップ」を実施するようになり、実質的なNO.1を決める場としてはオリンピックは機能しなくなってきたと言わざるを得ない。
またスポーツの場に政治を持ち込むことはタブーとされていますが、今大会でも政治色をうかがわすパフォーマンスは競技場の内外で起こっています。それが自国内の問題であっても、他国に対しての問題であっても、利権にまみれたIOCにはそれを批判して制御する力は無いようです。
今回の東京大会では、コロナ渦というかつて経験したことが無い世界的な厄災の中で行われていますが、それが今後のオリンピックのあり方、つまりオリンピック精神を真剣に考え直すスタートになるのかもしれません。